日米FTAを否定-茂木大臣2018年4月25日
政府の茂木敏充経済再生担当大臣は4月24日に開かれた自民党のTPP関連の合同会議に出席し4月17、18日に行われた日米首脳会談の結果について報告した。日米双方で新たな通商協議の場をつくることで合意したが茂木大臣は「日米交渉でもないしその予備交渉でもない」と強調し、農産物については「TPP合意が最大。これ以上のことはできないと米側に伝えた」と話した。
自民党のTPP・EU等経済協定対策本部の森山ひろし(※ネに谷)本部長は日米首脳会談で新しく決まった通商協議について「まちがっても農産物が入らないようにお願いしたい。通商交渉は油断ができない。しっかり情報をとって国内の農家が心配することのないようにしなければならないと」とあいさつした。また、議員連盟であるTPP交渉における国益を守り抜く会の江藤拓会長は「日米FTAやそれに準じるものの地ならしのために、ましてやTPP合意の枠組みを超えるような合意を形成するために新たな協議の場を設けたわけではないということを確認したい」と強調した。
日米首脳会談では、新たに茂木大臣とライトハイザー米通商代表との間で「自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議」を開始し麻生副総理とペンス副大統領とのもとで行われている日米経済対話に報告するという枠組みを決めた。
協議の通称は「FFR」。自由(free)、公正(fair)、互恵的(reciprocal)の頭文字をとった。
茂木大臣は会合でこの協議について「二国間FTAは念頭においてない。予備協議でもないと明確に申し上げたい」と話し、米国のTPP復帰も含めて「建設的な議論をしていきたい」と話した。
農産物についてはTPP合意が最大で日米首脳会談でも「あらゆる政治的資源を使い尽くしてまとめた。これ以上のことはできないと伝えた」として今後の協議にも「この立場を堅持して臨む」と考えを示した。
一方、国会で審議入りしたTPP11については6月から7月に東京で主席交渉官会合を開き、日本が事務局となって発効に向けた協議をする方針を示した。
茂木大臣によるとTPP11参加国は3月の署名式以降、国内手続きを前倒しする動きがあるといい「早期発効が視野に入ってきた」という。TPP11は6か国が条約批准など国内手続きが完了すれば発効する。
茂木大臣は米国の新協議(FFR)で立場を強くするためにもTPP11の早期に国会承認が必要だと早期成立を求めた。
(写真)日米会談の報告をする茂木経済再生担当大臣 自民党本部で
(関連記事)
・【金子勝・立教大学大学院特任教授】安倍首相は何のために訪米したのか(18.04.23)
・強まる米国対日市場開放要求【萩原伸次郎・横浜国立大学名誉教授】(18.04.06)
・TPP11主席交渉官会合を受けて(18.01.25)
・【現地レポート・JAひまわり】園芸王国に咲き誇る女性組織(18.01.19)
・これでいいのか国際通商交渉 奪われる国民の主権と未来【鈴木宣弘・東京大学教授】(17.09.28)
・二国間貿易 米国の動向注視-日米関係(17.04.26)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(159)-食料・農業・農村基本計画(1)-2025年9月13日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(76)【防除学習帖】第315回2025年9月13日
-
農薬の正しい使い方(49)【今さら聞けない営農情報】第315回2025年9月13日
-
【人事異動】JA全中(10月1日付)2025年9月12日
-
【注意報】野菜類、花き類、豆類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年9月12日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政も思い切りやってほしかった 立憲民主党農林漁業再生本部顧問・篠原孝衆議院議員2025年9月12日
-
【石破首相退陣に思う】破られた新しい政治への期待 国民民主党 舟山康江参議院議員2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政でも「らしさ」出しきれず 衆議院農水委員会委員・やはた愛衆議院議員(れいわ新選組)2025年9月12日
-
ドローン映像解析とロボットトラクタで実証実験 労働時間削減と効率化を確認 JA帯広かわにし2025年9月12日
-
スマート農業の実践と課題を共有 音更町で研修会に150名参加2025年9月12日
-
【地域を診る】個性を生かした地域づくり 長野県栄村・高橋彦芳元村長の実践から学ぶ 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年9月12日
-
(452)「決定疲れ」の中での選択【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月12日
-
秋の味覚「やまが和栗」出荷開始 JA鹿本2025年9月12日
-
「令和7年台風第15号」農業経営収入保険の支払い期限を延長 NOSAI全国連2025年9月12日
-
成長軌道の豆乳市場「豆乳の日」前に説明会を実施 日本豆乳協会2025年9月12日
-
スマート農園を社会実装「品川ソーシャルイノベーションアクセラレーター」に採択 OYASAI2025年9月12日
-
ご当地チューハイ「寶CRAFT」<大阪泉北レモン>新発売 宝酒造2025年9月12日
-
「卵フェスin池袋2025」食べ放題チケット最終販売開始 日本たまごかけごはん研究所2025年9月12日
-
「日本酒イベントカレンダー 2025年9月版」発表 日本酒造組合中央会2025年9月12日