労働力不足で作付け中止も-30年産てんさい2019年1月31日
農林水産省は1月30日、北海道の30年産てんさいの作付面積および収穫量を公表した。前年にくらべて作付面積は減少したが、その原因として農水省は「労働力不足による作付中止」も挙げた。

作付面積は5万7300haで前年産に比べ900ha(2%)減少した。10aあたりの収量は6300kgで作柄が良かった前年産に比べ6%下回った。6月上旬まではおおむね天候に恵まれたものの、その後の日照不足などの影響で前年産を下回った。ただ、平年収量対比では102%だった。
収穫量は361万1000tで前年産に比べ29万t(7%)減少した。
農水省によると作付面積が減少したのは他作物への転換もあるが、現地で情報収集したところ労働力不足で作付を中止したという理由も聞かれたという。労働力不足が生産意欲に影響を与えていることが示されたといえる。
北海道の十勝では小麦、てんさい、豆類、バレイショの4輪作、網走など寒冷地では小麦、てんさい、バレイショの3輪作が行われきた。ただ、てんさいは重量作物であり苗の移植にも労力がかかる。そのため近年は作業の省力化や経費節減に向けて直播が増加してきたが、30年産では25.7%(北海道農政部調べ)となっており、今後の普及も課題になる。
(写真)労働力不足は北海道のてんさいの作付けにも影響

日本で消費される砂糖のうち国産は41%。そのうち約8割が北海道のてんさい糖が占め、残り2割が沖縄と鹿児島のサトウキビから生産される甘しゃ糖となっており、いずれも自給率維持にとって重要な作物だ。
(関連記事)
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