米国で未承認GM小麦-農水省追加検査2019年7月18日
農林水産省は7月17日、米国で未承認の遺伝子組換え小麦が発見されたことを受けて、同国産小麦の輸入について追加検査を実施すると発表した。輸入停止はしない。
米国農務省は7月12日、ワシントン州で未承認の遺伝子組換え(GM)小麦が発見されたと発表した。
発表によると6月7日に発見されたGM小麦は除草剤グリホサート耐性品種「MON71300」と「MON71800」と特定したという。米国農務省は、いかなるGM小麦も商業流通したという証拠はなく、米国ではGM小麦の商業栽培と販売はされていないと強調している。また、食品医薬品局(FDA)は、ごく少量のMON71300とMON71800が食品に混入したとしても安全性の懸念はないとの評価も伝えている。
これに対して農林水産省は、米国で発見された2種類のGM小麦のうち、MON71800は平成25年に発見されたものと同じ品種であり、現在、輸入するすべての米国産小麦について船積み時に採取したサンプルを用いて検査(PCR法)を実施しているという。これまでに検出されたことはない。
もう1種類のMON71300は今回初めて発見・公表された。農水省はこの小麦が混入していないものを輸入、販売するため船積み時に採取したサンプルについて、MON71300が検出可能な検査を新たに追加する。
新たな検査法はラテラルフロー法と呼ばれ、グリホサート耐性の遺伝子組換え作物が生成するタンパク質(CP4-EPSPS)を検知する。
農水省によると、旧モンサント社が開発したグリホサート耐性のトウモロコシ、大豆はCP4-EPSPSを生成して耐性を発現する。GM大豆・トウモロコシはこのラテラルフロー法による検査キットが市販されており、このキットが、今回発見されたGM小麦のMON71800や、過去に発見されたMON71700、71200でも反応することを農水省は実証試験で確認しているといい、今回新たに発見されたMON71300についてもサンプルを入手次第、反応を確認するという。
これらの検査で未承認のGM小麦の混入が確認された場合、農水省は当該ロットの輸入・販売は行わないとしている。なお、これまでどの国もGM小麦の商業栽培を承認していない。
2013年に未承認GM小麦が米国で発見された際には、米国産小麦の輸入を一旦停止し、検査法の確立と船積み時の検査実施が可能かを米国で確認したうえで再開した。今回は検査法が確立されているとしている。
詳細は、以下の農林水産省ホームページ内より入手できる。
2019年(令和元年)7月に米国農務省が公表した未承認の遺伝子組換え小麦に係る対応についてのQ&A(農水省ホームページ内)
(関連記事)
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