農産物の収量予報を取得予測システム開発に着手2019年10月21日
茨城大学農学部と農研機構農業環境変動研究センターは、気象季節予報や衛星データ、作物生育シミュレーションモデルを組み合わせた農作物収量予報システムの開発に着手する。2021年度の事業完了をめざし、完成すれば1~3か月後の農産物の収量を予測できる世界初のシステムとして、世界規模の食糧安全保障に大きく貢献する。
国連食糧農業機関(FAO)の最新のレポートによると、世界の栄養不足人口は、異常気象などにより2014年度以降、増えている。こうした食糧安全保障の危機に対応するため、気候変動や災害級の異常気象の発生予測・予報データを活用することが必要で、農作物の収量予報情報を数か月単位の地球レベルで提供できるシステムが有効と考えられている。
開発にあたっては、世界中のすべてのポイントの1か月~3か月後の特定の農産物の収量予報情報について、緯度経度1.25度(約140平方km)程度の空間解像度で取得できるシステムの構築を目標とし、完成後はWEBページで公開予定。当初は水稲のみで実装する。
今年6月、農研機構とAPCCは統計モデルを用いた収穫3~6か月前の収量予測の試行を開始した。同計画では、さらに収穫に近づいた収穫1~3か月前に、衛星データと作物モデルを用いて、収量を精度良く予測し、提供するシステムを開発する。
茨城大学農学部の増冨准教授は、「宇宙利活用事業に係る支援により、これまで困難だった衛星情報を用いた収量予報という新たなシステムの開発が一気に現実味を増すことになった。世界中の誰もが即時に作物情報を得られる社会となり、グローバル規模の食糧安全保障に新たなフェーズをもたらしたい」と語っている。

重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(166)食料・農業・農村基本計画(8)農業の技術進歩が鈍化2025年11月1日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(83)テトラゾリルオキシム【防除学習帖】第322回2025年11月1日 -
農薬の正しい使い方(56)細菌病の防除タイミング【今さら聞けない営農情報】第322回2025年11月1日 -
酪農危機の打破に挑む 酪農家存続なくして酪農協なし 【広島県酪農協レポート・1】2025年10月31日 -
国産飼料でコスト削減 TMRと耕畜連携で 【広島県酪農協レポート・2】2025年10月31日 -
【北海道酪肉近大詰め】440万トンも基盤維持に課題、道東で相次ぐ工場増設2025年10月31日 -
米の1等比率は77.0% 9月30日現在2025年10月31日 -
2025肥料年度春肥 高度化成は4.3%値上げ2025年10月31日 -
クマ対策で機動隊派遣 自治体への財政支援など政府に申し入れ 自民PT2025年10月31日 -
(459)断食:修行から管理とビジネスへ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月31日 -
石川佳純が国産食材使用の手作り弁当を披露 ランチ会で全農職員と交流2025年10月31日 -
秋の果実王 旬の柿を堪能 福岡県産「太秋・富有柿フェア」開催 JA全農2025年10月31日 -
「和歌山県産みかんフェア」全農直営飲食店舗で開催 JA全農2025年10月31日 -
カゴメ、旭化成とコラボ「秋はスープで野菜をとろう!Xキャンペーン」実施 JA全農2025年10月31日 -
食べて知って東北応援「東北六県絆米セット」プレゼント JAタウン2025年10月31日 -
11月28、29日に農機フェアを開催 実演・特価品販売コーナーを新設 JAグループ岡山2025年10月31日 -
組合員・利用者に安心と満足の提供を 共済事務インストラクター全国交流集会を開催 JA共済連2025年10月31日 -
JA全農と共同開発 オリジナル製菓・製パン用米粉「笑みたわわ」新発売 富澤商店2025年10月31日 -
【スマート農業の風】(20)GAP管理や農家の出荷管理も絡めて活用2025年10月31日 -
農業経営効率化へ 青果市況情報アプリ「YAOYASAN」に分析機能追加 住友化学2025年10月31日


































