ドイツの「BIOFACH 2020」で商談始まる JETRO2020年2月13日
日本貿易振興機構(JETRO)は2月12日~15日にドイツ・ニュルンベルクで開催されているオーガニック専門見本市「BIOFACH 2020」にジャパンパビリオンを設置した。設置は3年連続で5回目となる。
この見本市は約150か国・地域からバイヤーが来訪する、世界最大規模のオーガニック専門見本市だ。今回日本から、味噌などの発酵調味料や、抹茶や煎茶など職人技が光る日本産オーガニック食品を扱う13社が出品した。「日本の発酵と職人技術」をコンセプトに掲げ、日本産オーガニック食品の特徴をバイヤーに訴求する。
増加するEUのオーガニック小売売上高推移(単位:百万ユーロ)
食品の安全性や環境問題への意識の高まり、遺伝子組み換え作物に対する抵抗感などを背景に、世界のオーガニック食品市場は大きく拡大している。有機農業研究所(FiBL:The Research Institute of Organic Agriculture)※によると、EUのオーガニック小売市場は2010年の180億ユーロから17年の347億ユーロと7年間で約2倍近くに拡大し、米国に次ぐオーガニック市場規模となった。
さらに、EU域内のオーガニック商品の輸入業者の数も2010年の2856社から17年の4585社と7年間で約1.6倍になるなど増加を続けている。
2019年2月に発効した日EU経済連携協定(EPA)で、緑茶、味噌や醤油などの調味料の関税が即時撤廃されたこともあり、今後日本産オーガニック食品のEU域内向け輸出に弾みがつくと期待されている。
「オーガニック食品」とは、そもそも環境への負荷をできる限り少なくする方法で生産された食品のこと。この見本市では、主催者側で出品物がオーガニックであることを審査するほか、環境への配慮から、会期中に使用できる容器類は洗って繰り返し使えるものを使うことなどが義務付けられている。参加する出品者、来場バイヤーはこうした主催者の方針を理解し賛同する者に限定されている。
主催者の発表によると、前回の「BIOFACH2019」では、「来場バイヤーの97%が出品物などに満足」と回答したという。これまでのジャパンパビリオン出品者からも「目的意識の高いバイヤーが多い」「オーガニックに特化しているため、ターゲット層のニーズを調査しやすく、販売もスムーズ」といった声があり、満足度、確度の高い商談が可能な見本市となっていることがわかる。
特定成分への耐性が弱い消費者のために作られた「Free From」食品は嗜好の多様化、健康志向の高まりを背景に欧米を中心に爆発的な伸びを見せている。今回ジャパンパビリオンは、こうした現地のニーズに合わせて、ソイ(ダイズ)フリーの日本産有機味噌(ひよこ豆、れんず豆、米など)やカフェインフリーの日本茶(桑の葉茶)なども出品している。
今回のジャパンパビリオンの概要は次のとおり。
▽主催 日本貿易振興機構(JETRO)
▽会期 2月12日~15日
▽会場 Exhibition Centre Nuremberg
▽参加企業 13社・団体(出品者リスト参照)
(※)スイスにあるオーガニック農業の分野で世界有数の研究機関の1つ。1973年設立。
「BIOFACH2020」ジャパンパビリオン出品者リスト(クリックで拡大)
重要な記事
最新の記事
-
米粉で地域振興 「ご当地米粉めん倶楽部」来年2月設立2025年12月15日 -
25年産米の収穫量746万8000t 前年より67万6000t増 農水省2025年12月15日 -
【年末年始の生乳廃棄回避】20日から農水省緊急支援 Jミルク業界挙げ臨戦態勢2025年12月15日 -
高温時代の米つくり 『現代農業』が32年ぶりに巻頭イネつくり特集 基本から再生二期作、多年草化まで2025年12月15日 -
「食品関連企業の海外展開に関するセミナー」開催 近畿地方発の取組を紹介 農水省2025年12月15日 -
食品関連企業の海外展開に関するセミナー 1月に名古屋市で開催 農水省2025年12月15日 -
【サステナ防除のすすめ】スマート農業の活用法(中)ドローン"功罪"見極め2025年12月15日 -
「虹コン」がクリスマスライブ配信 電話出演や年賀状など特典盛りだくさん JAタウン2025年12月15日 -
「ぬまづ茶 年末年始セール」JAふじ伊豆」で開催中 JAタウン2025年12月15日 -
「JA全農チビリンピック2025」横浜市で開催 アンガールズも登場2025年12月15日 -
【地域を診る】地域の農業・農村は誰が担っているのか 25年農林業センサスの読み方 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年12月15日 -
山梨県の民俗芸能「一之瀬高橋の春駒」東京で1回限りの特別公演 農協観光2025年12月15日 -
迫り来るインド起点の世界食糧危機【森島 賢・正義派の農政論】2025年12月15日 -
「NARO生育・収量予測ツール」イチゴ対応品種を10品種に拡大 農研機構2025年12月15日 -
プロ農家向け一輪管理機「KSX3シリーズ」を新発売 操作性と安全性を向上した新モデル3機種を展開 井関農機2025年12月15日 -
飛翔昆虫、歩行昆虫の異物混入リスクを包括管理 新ブランド「AiPics」始動 日本農薬2025年12月15日 -
中型コンバインに直進アシスト仕様の新型機 井関農機2025年12月15日 -
大型コンバイン「HJシリーズ」の新型機 軽労化と使いやすさ、生産性を向上 井関農機2025年12月15日 -
女性活躍推進企業として「えるぼし認定 2段階目/2つ星」を取得 マルトモ2025年12月15日 -
農家がAIを「右腕」にするワークショップ 愛知県西尾市で開催 SHIFT AI2025年12月15日


































