サツマイモ輸出時の腐敗防止技術を公表 農研機構2020年10月1日
農研機構は9月30日、サツマイモ(かんしょ)が輸出する途中で腐敗してしまうのを防ぐ技術を実証し、同技術の手順などをまとめた標準作業手順書をWeb上で公開した。
輸送中のかんしょに発生した腐敗の様子
国産農産物のアジア等への輸出拡大を図る狙いで同機構が取り組んでいる「九州沖縄経済圏スマートフードチェーンプロジェクト」の一環に位置付けられる今回の技術開発は、国産かんしょを輸出する際、海上輸送中に腐敗してしまうケースが近年急増していたことが背景にある。
生産者や輸送事業者にとっての大きな損失を回避する狙いで開発が急がれていた。
腐敗の実態解明や防止技術の確立にむけ試行錯誤を繰り返した結果、輸送中に腐敗する主な原因が「軟腐病」にあることを明らかにし、室内試験や九州から香港までの輸出を想定した実証実験を行いながら、洗浄や調製後のキュアリングが有効であると特定したもの。
かんしょの表面についた傷口から病原体が侵入し、発病することがすでに知られていたが、傷をつける大きな要因は「出荷前に行う洗浄時のブラッシングや調製(根切り)にあり、輸出が増えるのに伴って輸送期間が延びたことが、傷に起因した腐敗発生の原因だと特定している。
そのうえで示した対策は、収穫時などに傷ついたサツマイモ類や球根の傷口に、高温多湿条件のもとでコルク層を形成させるキュアリングという腐敗防止技術。すでに広く知られる技術だが、そのタイミングが従来とは異なる。
これまでのキュアリングは、貯蔵中の腐敗防止を狙い収穫後洗浄せずに行っていたが、輸送時の手順を考慮し、かんしょ出荷前の洗浄・調製後にキュアリングを実施するというもの。
洗浄・調製後にキュアリングをしない場合の軟腐病の発生率は100%だったが、洗浄・調整後にキュアリングをすると軟腐病の発生率は0%だった。
洗浄・調整後キュアリングの実施手順やその他の腐敗防止のポイントを取りまとめた資料が、同機構のWebサイトで公開されている。
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