コギクの黒斑・褐斑病発生で注意喚起 沖縄県2020年11月4日
沖縄県病害虫防除技術センターは、コギク(年末出荷用)の黒斑・褐斑病が平年と比べ多発していることを受け、10月30日に病害虫発生予察注意報第8号を発表した。
沖縄本島における10月のほ場調査の結果、黒斑・褐斑病の発病葉率は4.44%(平年値:0.17%)、発生ほ場率は62.5%(平年値:5.5%)となり、平年と比べ多発生となっている。病害虫防除員からは久米島地区での多発生が報告されている。
「黒斑・褐斑病の発病葉率の推移」「 黒斑・褐斑病の発生ほ場率の推移」
褐斑病の病原菌はSeptoria obesa H&P.Sydowで、発病適温は20~28℃の多湿時や肥料切れした場合等に発生することが多い。病徴は初め不規則な褐色少斑点が生じ、その後に不正形、楕円形、円形の黄褐色または黒褐色病斑となる。
黒斑病の病原菌はSeptoria chysanthemella Ssccardoで、発病適温は24~28℃とされ、褐斑病と同様に多湿時や肥料切れした場合等に多く発生する。病徴は褐斑病にきわめて類似している。
多発時の様子感染親株と摘心後の株が伝染源となり、被害葉上に形成される柄子殻から風雨により柄胞子が飛散し、周囲に伝播する。高温多湿の条件で多発し、多発時は大型病斑が増加して下葉から枯れ上がり、上位葉へと進展する。ひどい場合は半数以上の葉が枯死するとし、肥料切れや窒素過多で発生が助長されるため注意を促している。
防除上の注意点として、発生時は薬剤散布による防除を徹底し、発病葉の速やかな除去を促しているほか、適正な施肥管理やほ場の排水・通風を良くし、水滴の跳ね上がり防止のため敷草を行うことを推奨している。
また、暖地での連作ほ場では1年中キクがあり伝染源が途切れないため、摘心後から生育初期に症状の有無にかかわらず、防除を行うよう注意を呼びかけている。
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