ネギハモグリバエ別系統を県内で初確認 山形県2021年1月29日
山形県病害虫防除所はネギハモグリバエ別系統(Liriomyza chinensis Kato)の発生を受け、1月25日に特殊報4号を発表。東北地域での発生は岩手県、秋田県、福島県に続く4件目となる。
ネギハモグリバエ成虫
9月中旬~10月中旬に県内全域で、従来から発生しているネギハモグリバエ(以下、A系統)とは様相の異なる食害が確認された。これらの被害株から採集したネギハモグリバエの蛹または成虫(内陸地域1地点、庄内地域4地点)を農研機構野菜花き研究部門に同定を依頼。遺伝子解析の結果、いずれも別系統(以下、B系統)と判明した。
B系統は2016年に京都府で初めて確認されて以降、これまで22都府県で発生を確認。東北地域では2020年8月に岩手県が特殊報を発表し、続く9月に秋田県、11月に福島県で発令した。
外観による系統の識別は困難とされ、両系統とも成虫の体長は約2mm、胸部と腹部が黒く、その他の部分は淡黄色をしている。幼虫はうじ虫状で成長すると体長約4mmに達し、蛹は体長約3mmの褐色で俵状である。両系統とも成虫は葉の組織内に産卵し、孵化した幼虫は葉の内部に潜り込んで葉肉を食害する。幼虫は成長すると葉から脱出し、地表や土中で蛹となる。

B系統はA系統と比べ、1葉に多数の幼虫が寄生し、集中的に加害する傾向がみられる。B系統による初期の食害は、A系統と同様に不規則な白線状だが、食害が進むと近接した複数の食害痕が癒合し、葉が白化する。葉肉が食い尽くされ、表皮が浮いた状態で表皮を剥離すると多数の幼虫が確認される。B系統の寄主範囲は解明されていないが、A系統はネギ、タマネギ等のネギ属のみ食害する。
防除対策は次のとおり。
(1)生育初期に寄生されると被害が大きくなる恐れがあるため、早期発見に努め発生初期から防除を徹底する。
(2)現在、ネギハモグリバエの系統の違いで薬剤感受性が異なるとの報告はないため、薬剤防除は「ネギハモグリバエ」または「ハモグリバエ類」に適用のある薬剤を使用する。
(3)被害葉や収穫残渣はほ場内に放置せず、適切に処分する。
(4)抵抗性害虫出現防止のため、同一系統薬剤の連用を避ける。
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