農地価格 25年連続下落-全国農業会議所2021年4月19日
全国農業会議所が3月に公表した「令和元年田畑売買価格等に関する調査結果」によると純農業地域の農地価格は25年連続で下落した。「農地の買い手の減少」が主な要因となっている。
純農業地域(都市計画法で市街化区域・市街化調整区域の線引きをしていない市町村)の農用地区域の農地価格は全国平均で「中田」が10aあたり116万5000円。中畑が同86万1000円だった。(中田、中畑とは調査対象地で収量水準やほ場条件が標準的な水田、畑)
中田は対前年1.3%、中畑は同1.1%の下落でともに1995(平成7)年以降、25年連続で下がっている。最高価格となった1994年の中田200万2000円、中畑137万8000円とくらべると、それぞれ41.8%、37.5%の下落となった。
ブロック別でもすべてのブロックで下落。比較的価格の低い北海道(中田△2.3%、中畑△1.6%)、東北(同△2.7%、同△2.2%)、四国(同△2.1%、同△2.2%)で下落幅が拡大した。
下落要因は、農業への先行き不安や貸借の増加による「農地の買い手の減少や買い控え」がもっとも多く、中田で30.3%、中畑で35.0%とともに3割を超えた。
ついで中田では「米価など農産物価格の低迷」(16.5%)、「生産意欲の減退」(15.3%)となった。中畑では「後継者不足」(14.9%)、「生産意欲の減退」(13.9%)となった。
都市的農業地域の市街化調整区域の農地価格は、全国平均で中田が10a308万7000円、中畑が295万1000円だった。それぞれ対前年比1.5%、1.3%の下落だった。
中田、中畑ともに27年連続で下がっており、最高価格だった1992(平成4)年(中田1121万3000円、中畑1122万1000円)とくらべると、それぞれ72.5%、73.7%の下落となった。価格下落の要因は「農地の買い手の減少や買い控え」が中田で40.3%、中畑で54.5%を占めた。そのほか中田では「農産物価格の低迷」が23.5%、中畑では「後継者不足」が15.0%となっている。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日