持続可能な農林業 温室効果ガス削減促進 取り組みへの障壁も懸念-IPCC第6次評価報告書2022年4月5日
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価書第3作業部会の報告書が4月5日に公表された。政策決定者向けの報告書で「地球温暖化抑制のためのシステム変革」では農業、林業が持続可能な方法で実施された場合、「大規模な温室効果ガス削減を促進をもたらしうる」と指摘したが、土地制度や農業者の生計との競合などの実現を阻害する問題なども指摘している。
報告書では地球温暖化を1.5℃に抑えるシナリオでは、には2025年に温室効果ガス排出量がそのピークに達してしまうとして、2025年からは削減しなければならないとしている。
仮に現在の対策が強化されなければ2025年以降も温室効果ガスが増加し、2100年までに3.2℃の上昇をもたらすとしている。
報告書では「地球温暖化抑制のためのシステム変革」としてさまざま対策と効果を指摘している。農業に関係する面では、メタンの排出削減を行うことはピーク温度を引き下げるとともに、温暖化をオーバーシュートする可能性を低減するとしている。
需要サイドの問題では、バランスの取れた持続可能な健康な食生活への移行、食品廃棄・過剰消費の回避、廃棄物の管理やリサイクルのインフラなども必要だとしている。
農業と林業、その他の土地利用は、それが持続可能な方法で実施された場合、「大規模な温室効果ガス排出削減と除去の促進をもたらし得る」と指摘したが、工業など他の分野の「行動の遅れを完全に補うことはできない」と強調している。
また、持続可能な方法で調達された農林水産物は、より温室効果ガス排出量の多い製品の代わりとなることも指摘する。
ただ、持続可能な農林業の実現には、気候変動の影響や、土地への競合需要、食料安全保障の確保と農業者の生計、さらに土地所有や管理制度の複雑さや、文化的側面が障壁となることも懸念している。同時に、生物多様性の保全などを提供し、リスクを回避するための特有の機会が国ごとに多く存在することも「確信度が高い」として、持続可能な農林業の実現を促しているといえる。
そのほかCO2の排出を1t削減するのに100ドル以下の対策で2030年までに2019年レベルの半分に削減できるとの見込みも示した。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】ダイズ、野菜類、花き類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2025年9月19日
-
【サステナ防除のすすめ2025】秋まき小麦防除のポイント 除草とカビ対策を2025年9月19日
-
農業土木・鳥獣対策でプロフェッショナル型キャリア採用 課長級の即戦力を募集 神戸市2025年9月19日
-
脱炭素時代の国際基準を日本で実装 小売業や生産資材の参画を拡大へ 農林中金「インセッティングコンソーシアム」2025年9月19日
-
(453)「闇」の復権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月19日
-
「1粒1粒 愛をコメて」来年産に向けた取り組み 令和7年度 水稲高温対策検討会を開催 JA全農ひろしま2025年9月19日
-
JA全農主催「WCBF少年野球教室」熊本市で27日に開催2025年9月19日
-
「長崎県産和牛フェア」東京・大阪の直営飲食店舗で開催 JA全農2025年9月19日
-
大阪・関西万博で「2027年国際園芸博覧会展 未来につなぐ花き文化展示」開催 国際園芸博覧会協会2025年9月19日
-
東京科学大学と包括連携協定を締結 農研機構2025年9月19日
-
素材のおいしさ大切に 農協シリーズ「信州あづみ野のむヨーグルト」など新発売 協同乳業2025年9月19日
-
オートノマス水素燃料電池トラクタを万博で初披露 クボタ2025年9月19日
-
農業の未来を包装資材で応援「第15回 農業WEEK」出展 エフピコチューパ2025年9月19日
-
東尋坊から「崖っぷち米」大手スーパー「ベルク」と直取引で関東圏初進出 福井県坂井市2025年9月19日
-
京橋千疋屋と初コラボ 完熟キウイで「2色のゼスプリキウイ杏仁パフェ」登場 ゼスプリ2025年9月19日
-
まるまるひがしにほん「栃木のおいしさ発掘便」開催 さいたま市2025年9月19日
-
おいしい「ぶどう」日本一は長野県須坂市の横山果樹園「ピオーネ」 日本野菜ソムリエ協会2025年9月19日
-
農業用ビニールハウスの品質が評価「優秀FDI企業トップ20」などに選出 渡辺パイプベトナム2025年9月19日
-
鳥インフル カナダからの生きた家きん、家きん肉等の輸入を一時停止 農水省2025年9月19日
-
宅配事業に新しい形「ナイトチア クロセチン&セラミド」など新発売 雪印メグミルク2025年9月19日