ウクライナ戦争 世界食料安保への影響 食い止めよ-FAO事務局長2022年4月13日
FAO(国連食糧農業機関)は4月8日にウクライナ戦争が世界の食料安全保障に及ぼす影響を議論するためFAO理事会を召集し、屈冬王事務局長が世界のサプライチェーン機能を維持することの重要性を強調した。
FAO理事会は最新の食料価格指数が159.3ポイントと過去最高を更新するなかで開かれた。
屈事務局長は「小麦や植物油など主食の価格は最近高騰しており、世界の消費者、とくに最貧困層に異常なコストを押し付けている」と指摘するとともに、エネルギー価格も上昇しているため「脆弱な消費者や国々の購買力はさらに低下している」と述べた。
一方で肥料価格は高騰し、来シーズン、さらにそれ以降も肥料使用量の減少を招き、食料生産の低下がさらに食料価格の上昇につながるという見通しもあり「2022年以降、さらに多くの栄養不足の人々が発生する可能性がある」と警告した。
ロシアとウクライナは合わせて世界の小麦輸出の3割、ヒマワリ輸出の8割を占め、ロシアは最大の肥料輸出国であることから、「この2か国からの供給途絶は世界の食料農業システム全体に及ぶことになる」と指摘した。
こうしたなか「世界貿易システムを停止させてはならないし、輸出を制限したり課税したりしてはならない」と強調した。
具体的な提案は、▽もっとも脆弱な国々が肥料を効率的に使用できるように支援する詳細な土壌マップの作成と実施、▽的確な社会保護計画、▽アフリカ豚熱など動物疾病蔓延を防ぐため、ウクライナ近隣諸国でのバイオセキュリティの強化、▽市場の透明性と政策対話の強化により、混乱を最小限に抑え、食料の円滑な貿易の流れを確保するなど。
屈事務局長は「よりよい生産、よりよい栄養、よりよい環境、よりよい生活をすべての人に確保し、誰1人として取り残されることがないよう、効率的で首尾一貫した方法でともに働こうと」と呼びかけた。
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