下水汚泥からの肥料づくりなど推進へ 新たなバイオマス活用推進基本計画を決定2022年9月7日
バイオマス(生物由来資源)の利用推進に向けて、政府は9月6日、新たな「バイオマス活用推進基本計画」を閣議決定した。下水汚泥などを含めた総合的なバイオマスの利用の推進や、バイオプラスチックなどの新たな技術開発によるバイオマス産業の創出などを通して農山漁村の活性化や地球温暖化の防止などを目指す。
「バイオマス活用推進基本計画」は、「バイオマス活用推進基本法」に基づいて2010年に策定され、おおむね5年ごとに内容が見直されている。今回の改定では、持続的に発展する経済社会や循環型社会の構築に向け、「みどりの食料システム戦略」に示された生産力の向上と持続性の両立を推進し、地域資源の最大限の活用を図ることが重要だとし、農山漁村だけでなく都市部も含めた地域主体のバイオマスの総合的な利用を推進する方向性が示された。
今回の改定によって2030年の目標を設定し、これまで基本計画の対象としてきた家畜排せつ物や下水汚泥等に、新たに果樹せん定枝、きのこの廃菌床などを加えた上で、バイオマスの産出量の利用率を74%から80%に拡大する方向性を占めたのをはじめ、地域が主体となってバイオマスの総合的な利用を推進するとして、下水汚泥や食品廃棄物など都市部のバイオマス活用も推進し、全市町村がバイオマス関連計画を活用することなどがを盛り込んだ。
バイオマスの種類ごとの2030年目標としては、家畜排せつ物が90%(現在の利用率86%)、下水汚泥が85%(同75%)、下水汚泥中の有機物を肥料などに活用する下水道バイオマスリサイクルが50%(同35%)、食品廃棄物等が63%(同58%)などとなっている。ウクライナ紛争や円安などの影響で肥料が高騰する中、下水汚泥から回収した再生リンを肥料原料とする肥料の開発は兵庫県や福岡県などで進められている。農水省は、さまざまな生産資材が高騰する中、さまざまな国の支援メニューなども活用しながら、バイオマス活用の推進を働きかけることにしている。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(159)-食料・農業・農村基本計画(1)-2025年9月13日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(76)【防除学習帖】第315回2025年9月13日
-
農薬の正しい使い方(49)【今さら聞けない営農情報】第315回2025年9月13日
-
【人事異動】JA全中(10月1日付)2025年9月12日
-
【注意報】野菜類、花き類、豆類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年9月12日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政も思い切りやってほしかった 立憲民主党農林漁業再生本部顧問・篠原孝衆議院議員2025年9月12日
-
【石破首相退陣に思う】破られた新しい政治への期待 国民民主党 舟山康江参議院議員2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政でも「らしさ」出しきれず 衆議院農水委員会委員・やはた愛衆議院議員(れいわ新選組)2025年9月12日
-
ドローン映像解析とロボットトラクタで実証実験 労働時間削減と効率化を確認 JA帯広かわにし2025年9月12日
-
スマート農業の実践と課題を共有 音更町で研修会に150名参加2025年9月12日
-
【地域を診る】個性を生かした地域づくり 長野県栄村・高橋彦芳元村長の実践から学ぶ 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年9月12日
-
(452)「決定疲れ」の中での選択【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月12日
-
秋の味覚「やまが和栗」出荷開始 JA鹿本2025年9月12日
-
「令和7年台風第15号」農業経営収入保険の支払い期限を延長 NOSAI全国連2025年9月12日
-
成長軌道の豆乳市場「豆乳の日」前に説明会を実施 日本豆乳協会2025年9月12日
-
スマート農園を社会実装「品川ソーシャルイノベーションアクセラレーター」に採択 OYASAI2025年9月12日
-
ご当地チューハイ「寶CRAFT」<大阪泉北レモン>新発売 宝酒造2025年9月12日
-
「卵フェスin池袋2025」食べ放題チケット最終販売開始 日本たまごかけごはん研究所2025年9月12日
-
「日本酒イベントカレンダー 2025年9月版」発表 日本酒造組合中央会2025年9月12日