子牛の早期出荷を推進 肥育期間短縮し農家支援 肉用牛関連対策2022年12月15日
2023年度畜産物価格と合わせて決定したALIC事業で実施する関連対策のうち、肉用牛対策では配合飼料の節約につながる子牛の早期出荷の推進支援策などが盛り込まれた。
肉用牛経営安定対策の保管事業を拡充し、子牛の早期出荷に資する哺乳強化の取り組み推進を支援する。
代用乳価格も上昇していることを受けて、高たんぱく低脂肪の代用乳を子牛に与える先進的な強化哺乳に取り組み子牛を早期出荷させる取り組みを行う場合、1頭最大6000円を支援する。
これによってしっかり成育した子牛を導入した肥育農家は出荷時期を早めることが可能となり配合飼料の使用量の節約につながることも狙い。コスト削減策の一環と位置づける。
また、優良な繁殖雌牛の導入(4万円/頭、高性能牛は5万円/頭)は引き続き支援する。
また、今年5月に急落した子牛価格は現在、回復傾向にあるが、価格が堅調に推移するまで肉用子牛生産基盤の安定を図るため、和子牛生産者臨時経営支援事業を行う。実施期間は23年1月から12月までの1年間。
市場で取引される和子牛のブロック別(黒毛和種は北海道、東北、本州関東以西・四国、九州・沖縄の4ブロック、褐毛和種、その他肉専用種は1ブロック)の平均売買価格(黒毛和種と褐毛和種は四半期別、その他肉専用種は年間)が、発動基準を下回った場合に平均売買価格と発動基準の差額の「4分の3」を支援する。
発動基準(消費税込価格)は黒毛和種60万円、褐毛和種55万円、その他肉専用種35万円となっている。
そのほか豚肉では、養豚経営安定対策の補完事業に黒豚やアグ―豚など特色ある種豚導入を1頭当たり3万円を上限に支援する措置も加える。
配合飼料価格安定制度では補正予算で異常補てん基金の積み増しとして103億円を措置したが、これに応じた飼料会社など民間の積立てがなされるまでの間、「つなぎ」となる拠出金も最大79億円準備した。農水省は民間からの積立てが完了すれば、拠出金は回収するとしている。
コロナ禍の需要減に対して実施してきた和牛肉保管在庫支援緊急対策事業では、和牛を冷凍保管してきたが、来年度からは和牛肉の需要開拓支援に組み替えて実施する。
冷凍和牛の在庫が高止まりしているなか、再来年1月ごろまでは素畜価格が高かった時期の肥育牛の出荷が見込まれているが、冷凍和牛の販売で枝肉価格が下落すると肥育経営への影響が大きくなることも心配される。そこで冷蔵中心の和牛肉流通に段階的に戻すため、食肉事業者が産地と連携した計画的に販売し需要開拓する取り組みに奨励金を交付する。これにともない冷凍保管への支援は取りやめる。詳細は来年1月から2月ごろに決まるが重量当たりの奨励金となる。
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