法人の資金調達 柔軟化検討を 規制改革会議2023年1月23日
政府の規制改革推進会議の地域産業活性化ワーキング・グループは1月20日の第2回会合で農地制度に関して農林水産省からヒアリングを行うとともに、農地の集約化の促進や、法人の資金調達の柔軟化などを引き続き検討するよう農水省に求めた。
農水省は昨年12月に「農地法制の在り方に関する研究会」を設置し、農地の確保に関する国の関与の在り方、農地の適正利用強化策の在り方などをテーマに月1回程度のペースで意見交換を実施している。
会合では村井正親経営局長が同研究会に示した農地法制をめぐる現状と課題を説明、担い手への農地の集積状況、遊休農地の推移などを話した。
そのなかで法人が農地を取得した場合、水管理や土地利用に支障が出たり、農地が不適正に利用されたり、収益が上がらなければ簡単に徹底するのではないかなどの懸念が農村現場にあることを指摘し、今後、懸念を払拭する施策を議論していくことも明らかにした。
また、人・農地プランで法定化された「地域計画」の策定については、地域の担い手と話し合っていくことが重要だと強調した。
WGの委員からは「新しい時代と新しい担い手を見据えた議論をしていくべき。農業に参入しやすくすることも必要」、「改革を後退させることなく輸出拡大、生産拡大、自給率向上に取り組むべき。主役は若者や農業経営の法人化。デジタル技術など不足しているものを補っていくことが大事」などの意見が出たほか、「農業を選んだ若者が普通の企業のように上場できないのはおかしい」と出資の在り方について指摘する意見もあった。
地域産業活性化ワーキング・グループ(WG)の岩下直行座長(京大・公共政策大学院教授)は
「農業生産の維持拡大のためには経営規模の拡大と高付加価値化、農業従事者の受け皿の創出が重要で法人化の推進は不可欠」と指摘したほか、「生産性を向上させるためには法人の資金調達の柔軟化や経営多角化のための農地転用手続きの緩和を進めることが必要」として農水省に検討を求めた。
また、WGとしても「農地法制の在り方、農地の集積、集約化など夏の答申に向けて引き続きフォローアップしていく」と検討を続ける考えを示した。
昨年6月に政府が決めた規制改革実施計画のなかでは「農業者の成長段階に応じた資金調達の円滑化」が盛り込まれ、意欲的な若者による農業ベンチャーなどが事業拡大する際に、企業などの出資による資金調達を選択可能とする検討などを農水省が行うこととされている。ただ、農村現場の懸念払拭や食料安保を念頭に置いて検討することになっている。実施時期は明記されていない。
重要な記事
最新の記事
-
農畜産物を「交渉カード」にするな トランプ関税でJA茨城県中央会 森山自民幹事長に緊急要望2025年5月10日
-
米など「重要5品目」守り抜く トランプ関税交渉で森山自民幹事長 茨城で表明2025年5月10日
-
シンとんぼ(141)-改正食料・農業・農村基本法(27)-2025年5月10日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(58)【防除学習帖】第297回2025年5月10日
-
農薬の正しい使い方(31)【今さら聞けない営農情報】第297回2025年5月10日
-
JA貯金残高 107兆2744億円 3月末 農林中金2025年5月9日
-
米、再生産可能な施策で後押し 石破茂総理2025年5月9日
-
【JA人事】JAぴっぷ町(北海道)大西組合長を再任(3月28日)2025年5月9日
-
備蓄米 全農出荷済み6万3266t 落札量の3割 出荷依頼には100%対応2025年5月9日
-
イネカメムシ被害を防げ 埼玉県と加須市、「防除」を支援 JAの要請実る2025年5月9日
-
備蓄米の円滑な流通 さらなる方策検討 買戻し条件見直しも 江藤農相2025年5月9日
-
米価 「高くなる」判断がやや増加 米穀機構2025年5月9日
-
(434)世界の配合飼料業界のダイナミズム【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年5月9日
-
全農杯全日本卓球選手権大会(ホープス・カブ・バンビの部)岐阜県予選会を県産品で応援 JA全農岐阜2025年5月9日
-
職員対象に「農業体験研修」を実施 JA全農あきた2025年5月9日
-
米を買うときに重視「国産米」77.8% お米についての緊急アンケート 日本生協連2025年5月9日
-
外食市場調査3月度 市場規模は3162億円 3か月ぶりに前年比でもマイナス2025年5月9日
-
BASFグループの第1四半期業績 特別項目控除前EBITDAはほぼ前年同期水準を確保2025年5月9日
-
鳥インフル 米サウスダコタ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年5月9日
-
生活協同組合ひろしまと連携協定「無印良品」商品を供給開始 良品計画2025年5月9日