酪農家に政策Q&A特設 農水省 配合飼料高騰策も検討2023年3月22日
農水省は経営環境が厳しい酪農家などに向け、酪農・牛乳乳製品に関する政策をていねいに解説した「酪農・牛乳乳製品FAQ」(FAQ)を作成し、ホームページにアップした。年明けから酪農関係者などからの問い合わせが相次でいることから、政策を深く理解してもらうことが狙い。配合飼料高騰策などを検討することを明らかにしており、同じ内容の動画も制作、3月17日から公開中。
FAQは「酪農経営向け」「消費者向け」の2部構成で、畜産局牛乳乳製品課を中心に取りまとめた。同じ内容の書面を全国の酪農家に郵送することも検討している。
FAQでは、コスト増で苦しむ酪農経営への対策として、「乳牛の主要な飼料である配合飼料の高騰では配合飼料価格安定制度が講じられている。2023(令和5)年2月24日の物価対策本部の首相支持も踏まえ、配合飼料については、第4四半期の価格を抑制する対策、23年度第1四半期以降の支援を検討している」と回答している。
ただ酪農に、肉用牛経営のような収支差の一部を補填する(マルキン)制度がないことについては、
「収支の差の一部を補填する制度を、市場取引のない酪農に設けると乳牛メーカーも酪農経営もそれを前提に価格交渉を行う。生乳が余っているときは、かなり低い乳価になりかねず、酪農経営に必ずしも好ましい状況にならない」
「10割補填の導入は他産業との公平性の観点から、また生乳が余っていても生産に歯止めがきかず過剰となり、牛乳乳製品流通に支障を来しかねず現実的ではない」
と説明。
生乳の生産が抑制される中、脱脂粉乳やバターが生乳換算で年間13万7000トン分、輸入されている「カレントアクセス」に、酪農家からの批判が強いが、
「国家貿易をやめ民間貿易の関税割合にした場合は、全量輸入されなくとも約束違反にならない。しかし国内の事業者からの安価な輸入乳製品への需要を考慮すると、実際には全量が輸入されると考えている。この場合は乳製品の時期、数量などをコントロールすることができない。国家貿易には国内の需給に影響を与えないように管理できるメリットがある」
との姿勢を示している。
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】ブロッコリーの黒すす病にSDHI剤耐性菌が発生 北海道2025年12月25日 -
【Jミルク脱粉在庫対策】基金初発動1.2万トン削減 なお過剰重く2025年12月25日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2025年12月25日 -
協同組合の価値向上へ「鳥取県宣言」力強く2025年12月25日 -
【世界を診る・元外交官 東郷和彦氏】トランプ再来の嵐 自国利益に偏重2025年12月25日 -
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】なぜ日本は食料難の経験を教科書から消したのか?2025年12月25日 -
すべての都道府県で前年超え 2024年の県別農業産出額 トップは北海道2025年12月25日 -
【農と杜の独り言】第7回 祭りがつなぐ協同の精神 農と暮らしの集大成 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2025年12月25日 -
国連 10年に一度「国際協同組合年」を決議2025年12月25日 -
秋田と山形の3JAが県越え連携協定2025年12月25日 -
日本産の米・米加工品の輸出促進策を議論 「GOHANプロジェクト」で事業者が意見交換 農水省2025年12月25日 -
26年産の農家手取り「2万5000円めざす」 暴落の予兆に抗い再生産価格を確保 JA越前たけふ2025年12月25日 -
笹の実と竹の実【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第370回2025年12月25日 -
茨城県で鳥インフル 97万羽殺処分へ 国内10例目2025年12月25日 -
ホットミルクと除夜の鐘 築地本願寺でホットミルクお振舞い JA全農2025年12月25日 -
適用拡大情報 殺虫剤「ロムダンフロアブル」 日本曹達2025年12月25日 -
水稲用一発処理除草剤「トリニティジャンボ」を上市 3剤型体制を構築 石原バイオサイエンス2025年12月25日 -
鳥インフル 米国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年12月25日 -
鳥インフル ブラジルからの生きた家きん輸入一時停止 家きん肉等を輸入保留 農水省2025年12月25日 -
千葉県香取市「令和8年度地域おこし協力隊」農業など6分野で募集中2025年12月25日


































