宮下新農相就任会見 食と農の構造変化に政策再構築 JA改革も後押し 2023年9月14日
9月13日に就任した宮下一郎農相は14日に就任会見に臨んだ。生産者の減少と高齢化が進むなど農業の大きな構造変化のもと、食料安保など諸課題に対応するため、審議会の「最終答申」をふまえ基本法など「法律作成に臨んでいきたい」などと意欲を語った。
宮下新農相
宮下農相は世界人口の増加や気候変動など食料安保のリスクの高まりと、環境に配慮した持続的な取り組みが求められる一方、国内では人口減少と生産者の高齢化など「大きな構造変化に対応していく政策を再構築して農林水産業を前に進めていきたい」と意欲を語った。
とくに適正な価格形成については、生産、加工、流通、消費の「各段階の持続性確保が大事で各段階の適正な価格形成が不可欠」だとして、「価格形成の仕組みのどこに問題があるのか確認することが一丁目一番地」として8月末に農水省に設置された適正な価格形成のための協議会で検討していくとした。
同時に「市場メカニズムが必ずしも全体にとって最適なものとして機能しないことはあちこちに場面である」との考えを示し、賃金の引き上げなどの官民で努力し、「所得が上がれば農産物価格が引き上げられても消費が落ちないという社会経済にしていかなければならないと思う」と述べた。そのほか生産者サイドでのコストの把握、物流の効率化によるコストの引き下げなども課題だと話した。
品目対策のうち、麦・大豆への支援では「輸入依存度の高い麦・大豆への転換が進むよう支援していく」とし「畑作に切り替えたとき、米に比べて支援が薄く不安と感じられては困るので畑地化促進事業はしっかりと予算を確保し前向きな判断をしてもらえるようがんばっていく」と述べた。
JA改革については生産資材コストの引き下げなど「着実に進展していると認識している」として、「組合員のみなさんと対話を重ねながら取り組むことが大事で農水省としても後押しをしていきたい」と話した。
(みやした・いちろう)昭和33年8月生まれ。長野県出身。昭和58年東大経済学部卒。住友銀行入行。平成4年防衛庁長官秘書官、衆議院議員・宮下創平秘書。平成15年衆議院議員当選。当選6回。
重要な記事
最新の記事
-
新品種から商品開発まで 米の新規需要広げる挑戦 農研機構とグリコ栄養食品2025年5月1日
-
米の販売数量 前年比で86.3%で減少傾向 価格高騰の影響か 3月末2025年5月1日
-
春夏野菜の病害虫防除 気候変動見逃さず(1)耕種的防除を併用【サステナ防除のすすめ2025】2025年5月1日
-
春夏野菜の病害虫防除 気候変動見逃さず(2)農薬の残効顧慮も【サステナ防除のすすめ2025】2025年5月1日
-
備蓄米 小売業へ2592t販売 3月末の6倍 農水省2025年5月1日
-
イモ掘り、イモ拾いモ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第338回2025年5月1日
-
地元木材で「香りの授業」、広島県府中明郷学園で開催 セントマティック2025年5月1日
-
大分ハウスみかんの出荷が始まる 大分県柑橘販売強化対策協議会2025年5月1日
-
Webマガジン『街角のクリエイティブ』で尾道特集 尾道と、おのみち鮮魚店「尾道産 天然真鯛の炊き込みご飯」の魅力を発信 街クリ2025年5月1日
-
5月1日「新茶の日」に狭山茶の新芽を食べる「新茶ミルクカルボナーラ」 温泉道場2025年5月1日
-
「越後姫」食育出前授業を開催 JA全農にいがた2025年5月1日
-
日本の米育ち 平田牧場 三元豚の「まんまるポークナゲット」新登場 生活クラブ2025年5月1日
-
千葉県袖ケ浦市 令和7年度「田んぼの学校」と「農作業体験」実施2025年5月1日
-
次世代アグリ・フードテックを牽引 岩手・一関高専から初代「スーパーアグリクリエーター」誕生2025年5月1日
-
プロ農家が教える3日間 田植え体験希望者を募集福井県福井市2025年5月1日
-
フィリップ モリス ジャパンとRCF「あおもり三八農業未来プロジェクト」発足 農業振興を支援2025年5月1日
-
ビオラ「ピエナ」シリーズに2種の新色追加 サカタのタネ2025年5月1日
-
北限の茶処・新潟県村上市「新茶のお茶摘み体験」参加者募集2025年5月1日
-
「健康経営優良法人2025」初認定 全農ビジネスサポート2025年5月1日
-
「スポットワーク」活用 農業の担い手確保事業を開始 富山県2025年5月1日