いちごのアザミウマ類 多発のおそれ 病害虫発生予報第10号 農水省2024年3月14日
農林水産省は3月13日、令和5年度病害虫発生予報第10号を発表した。向こう1か月の主要な病害虫の発生は、野菜では、いちごのアザミウマ類の発生が、南関東、四国及び南九州の一部の地域で多くなると予想。また、果樹カメムシ類の発生が、四国、中国及び北九州の一部の地域で多くなると予想されている。このほか、いちごの灰色かび病など地域によっては発生が多くなると予想されている。
各作物の詳細は以下の通り。
◎水稲
・「トビイロウンカ」は、その年の気象条件や飛来量によっては大きな被害を引き起こす。この虫による被害の発生が懸念される地域では、効果の高い育苗箱施用剤による防除の実施についても検討を。
・昨年、「いもち病」、「もみ枯細菌病」、「ばか苗病」等の種子伝染性病害の発生が多かった地域では、種子消毒を的確に実施し、健全な苗の育成に努める。薬剤感受性の低下がみられる場合があるため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に、効果の高い薬剤を選定し種子消毒を実施を。また、塩水選や温湯消毒といった物理的防除を実施する場合には、消毒効果を確実に得られるよう、病害虫防除所等が示す手順・方法に沿って適切に実施する。
・「縞葉枯病」は、ヒメトビウンカによって媒介されるウイルス病で、経卵伝染するため、同虫を対象とした防除を実施することが重要。近年、同虫の発生が増加傾向にある地域では、越冬量を抑制するため、冬期間中にイネ科雑草の除去および再生株(ひこばえ)のすき込みを行うことが効果的。未実施の地域では速やかに実施を。
また、近年、同ウイルスを保毒している本虫の割合が高まっている地域では、育苗箱施用剤によ
る防除の実施についても検討する。
・「イネカメムシ」は、斑点米だけでなく、不稔被害も引き起こす斑点米カメムシ類の一種で、近年、発生の増加や減収被害が報告されている。同虫は、主要な斑点米カメムシ類と防除適期が異なり、出穂期の防除が重要。発生が増加傾向にある地域では、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に、ほ場での発生状況を把握し、効果の高い薬剤による出穂期の防除の実施について検討を。
・「スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)」は、今冬の気温が高かった地域では、多くの貝が越冬しているおそれがある。今春の被害を抑えるため、移植前に取水口・排水口にネットや金網を設置するとともに、水田内の発生が多い場合には石灰窒素の散布の実施を検討を。
また、移植時は薬剤散布を実施し、移植後は水深を4cm(理想は1cm)以下に維持する浅水管理を実施する。この貝は、農機具・機械に付着した泥とともに他のほ場へ拡散することがある。発生ほ場で使用した後は泥をよく落としてから移動させるよう心がけること。なお、一旦定着した本貝を根絶することは困難なこと、また周辺の水田にも影響が及ぶことから、除草目的であっても、未発生地域や被害防止に取り組む地域でこの貝の放飼は行わないこと。
農水省は、スクミリンゴガイの被害防止対策に関するマニュアルや動画などをホームページに掲載。また、農研機構植物防疫研究部門を代表機関とするコンソーシアムが、防除技術、リスク地図等を紹介する「スクミリンゴガイの防除支援マニュアル」を公開している。
◎野菜・花き
野菜・花きで各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫と地域は次の通り

・いちご
「アザミウマ類」の発生が、南関東、四国及び南九州の一部の地域で多くなると予想。
同虫類は作物を加害するほか、多くの病原ウイルスを媒介することが知られる。発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考にほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施を。
なお、同虫類は薬剤抵抗性が発達しやすいため、同一系統薬剤の連用を避けるなど、薬剤を適切に選定する。
◎果樹・茶
果樹・茶で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫と地域は次の通り

◎果樹共通
・「果樹カメムシ類」の発生が、四国、中国及び北九州の一部の地域で多くなると予想。
山林等の越冬場所から離脱した成虫が春の気温の上昇とともに餌を求めて移動し、果樹全般を加害する。同虫類の飛来状況は地域や園地により異なるため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考にしながら、園内の観察をきめ細かく行い、飛来が認められた場合は、飛来初期から防除を実施する
◎果樹・茶共通
・果樹や茶では、病害虫防除を効率的かつ効果的に実施するため、春期に病害虫の発生を抑制することが重要。感染落葉やり病部を除去し園外に持ち出すなど、適切に処理する。また、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に、薬剤防除を的確に実施を。
◎サツマイモ基腐病の防除対策について
サツマイモ基腐病は感染したいもや苗がほ場内に持ち込まれることにより発生が広がるため、健全種いもの確保、苗床の消毒等を実施することにより、健全な種苗を育成する。また、同病のまん延防止には、り病株の早期発見が重要であることから、都道府県が発表する発生情報等を参考にしながら、ほ場観察を行う。疑わしい症状を見つけた場合は、都道府県病害虫防除所等まで連絡を。
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