Z-GIS左PC
左カラム:全中動静160_86
左カラム_シリーズ_防除学習帖
左カラム_シリーズ_新たな基本計画
左カラム_コラム_正義派の農政論_pc
左カラム_コラム_米マーケット情報_pc
左カラム_コラム_地方の眼力_pc
左カラム_コラム_食料・農業問題 本質と裏側
左カラム_コラム_昔の農村・今の世の中_pc
左カラム_コラム_TPPから見える風景_pc
左カラム_コラム_グローバルとローカル_pc
左カラム_コラム_ムラの角から_pc
左カラム:JCA160_86
左カラム_農協協会90周年_400px
FMCSP
JA全中中央①PC
JA全中中央SP

農政:薄井寛・20大統領選と米国農業

激突する農業団体と石油業界――トランプ支持の岩盤に亀裂か【薄井寛・20大統領選と米国農業】第6回2020年7月7日

一覧へ

6月中旬、ショッキングな情報が米国の農家や農業関係者へ伝えられた。小規模製油所(日量7万5000バーレル未満)が経営難を理由にトウモロコシ由来等のエタノール混合義務免除を申請する。環境保護局(EPA)に対するその申請件数が5月20日までに免除制度開始の2011年以来最高の52件に達したと、6月18日にEPAが公表したのだ。

トウモロコシ畑

◆大統領の環境軽視政策が招いた結果

これに対し、エタノール工場などが組織する再生可能燃料協会(RFA)と全米トウモロコシ生産者協会、共和党系のファーム・ビューロー、民主党系の全米農業者連盟などの9団体が猛反発。エタノール生産が集中する中西部諸州から選出された共和・民主両党の下院議員44名が6月8日に大統領へ書簡を送り、「(混合義務免除を求める)いかなる申請も拒否するよう」求めた。また、上院議員16名と4名の州知事も6月25日と29日、「免除申請の即刻拒否」をEPAのウィラー長官へ文書で要求した。

一方これより先の5月中旬、エタノール混合義務の免除を求める製油所側の議員や知事らも動いていた。石油産業が集中する南部などの州から選出された15名の上院議員と24名の下院議員、および6名の州知事がそれぞれEPA長官に書簡を送り、「地域の経済と雇用を守るため、小規模製油所の混合義務免除申請を速やかに認めるよう」求めていたのだ。

石油業界と農業・エタノール産業はトランプ大統領にとってともに重要な支持基盤。100名を超える議員や知事を巻き込み、二大支持グループが全面対決へ突入した。農業問題でこれほど多くの政治家が超党派でぶつかり合うのは、近年聞いたことがない。
ここまでに至った経過を整理すると、次のようになる。

(1)2005年共和党ブッシュ政権がエネルギー政策法で再生可能エネルギーの消費促進を決定
(2)07年より再生可能燃料基準(RFS)に基づきトウモロコシ由来等のエタノール10%混合ガソリンの供給が義務化され、同燃料の消費が年々増大
(3)オバマ政権の環境政策のもとでエタノール生産が急拡大(07年の65億ガロンから18年に161億ガロンのピークへ)
(4)トウモロコシの総使用量(輸出を含む)に占めるエタノール用の割合は15/16年度に38.2%のピークへ(飼料用とほぼ同量、輸出量の2倍以上)
(5)ところが、トランプ政権は前政権の環境政策を否定し、石油・石炭資源の開発支援へ転換。混合義務の免除申請に対する認可件数が17年から急増(14~16年の年間最高は8件、17~19年には計85件)
(6)20年3月に原油価格が暴落。3~5月にはコロナ禍でガソリン消費が急減し、市場への供給減(表参照)で製油企業は深刻な経営悪化
(7)同時に、混合ガソリンの消費減とエタノール価格の下落によって、全米204のエタノール工場のうちの150カ所以上が現在、操業停止または生産減を余儀なくされている。

米国でのガソリン供給量とエタノール価格の推移 (クリックで拡大)

◆追加のコロナ救済対策か、通商圧力の強化か

今回の52件の申請は過去の経営難の年へ遡って今後の混合免除を求めるものであり、これらが認められれば免除対象のエタノールは25億ガロンを超えると推計される。これは20年の混合義務目標(150億ガロン)のほぼ16%。これではエタノール業界が壊滅的な打撃を受けるばかりか、再生可能燃料基準の維持そのものが困難となり、ひいては国内30万戸のトウモロコシ生産農家の経営危機に繋がりかねない。

選挙直前のエタノール問題はトランプ陣営にとってやっかいだ。石油業界の要求ばかり受け入れれば、農家の岩盤支持を失う。エタノール消費を増やそうとしても、経済活動の再制限で混合ガソリン需要の急回復は当分望めない。ブラジルや中国など外国による米国産エタノール輸入需要の増大も同様だ。内外の混合ガソリン需要の増大を期待できない今、石油業界と農業団体の両方の要求を満たせる方策の提示が困難なのだ。

他方、トランプ大統領のコロナ失策に地方でも批判が広まってきた。保守系FOXニュースの世論調査(6月13~16日)によると、前回選挙でトランプが32ポイントの差をつけクリントンを制した地方選挙区で、今回トランプがバイデンにつけた差はたったの9ポイント。「(EPAによる混合義務免除申請の認可は)中西部諸州におけるトランプ支持を危険にさらす」と、与党共和党重鎮のグラスリー上院財政委員長は述べたが、それは農家へのリップ・サービスというより、地方選挙区における逆風の実態を伝える発言と受け止めるべきかもしれない。

昨年行ったエタノール消費拡大策などの中途半端な措置では、困難な局面の正面突破に通用しない。3兆ドルとも伝えられる次のコロナ救済策の一部として、製油業界とエタノール工場の両方に大規模な救済策を措置し、加えてトウモロコシ農家へ救済金の上乗せをするなど、トランプ大統領は露骨な選挙対策を追求するだろう。だが、下院で多数を握る民主党側はそれをどこまで認めるか。日本などのトウモロコシやエタノールの輸入国に対する大統領の強硬発言と併せ、注視していきたい。

最新の記事

シンジェンタSP:アンケート(200603-)

JA人事

ヤンマーSP

負けるな! コロナ禍 今始まる! 持続可能な社会をめざして

新世紀JA研究会 課題別セミナー:SP

注目のテーマ

注目のテーマ

Z-GIS:SP

衝撃 コロナショック どうするのか この国のかたち

JA共済連:SP

注目のタグ

JAバンク:SP

県連人事

JA人づくり研究会:SP

全農子会社・関連企業人事

新世紀JA研究会:SP

本田防除

クローズアップ

topへ戻る