健康関連を主力事業に 電気化学工業2013年5月15日
電気化学工業は5月9日、平成25年3月期決算を発表した。同日の会見で吉高紳介社長は、「健康分野への挑戦」として検査薬事業を強化することなどを発表した。
同期の売上高は前期比231億円(2.6%)減の3416億円、営業利益は同19億円(0.2%)減の188億円、経常利益は同12億円(6.2%)減の178億円、当期純利益は同1億円(0.7%)減の113億円と減収減益だった。
売上高が落ちたのは、主力のスチレンモノマー事業の販売縮小などが要因。肥料の販売は減少し、肥料を含む無機系素材事業も減収減益となった。一方、農業・土木用コルゲート管は販売数量が増え増収。これを含む機能・加工製品事業は、4つの部門別で唯一増収増益となった。
吉高社長は会見で、「24年度下半期の厳しさに比べれば、事業環境は改善された。上昇気流に乗ってきている」として、25年度の業績予想を売上高3900億円、営業利益250億円とした。
同社は4月に新成長戦略として「DENKA100」の見直しを公表したが、その一環として健康関連事業を強化する。
同事業は検査試薬などの製造を手掛けるが、このうちガン、高血圧などの生活習慣病検査や、インフルエンザ、ノロウィルスなどの迅速診断キットなどの売上げが近年伸びている。こうした背景から、健康関連事業をクロロプレン、電子材料とならぶ主力事業へと育成し、今年度は100億円だった売上高を、5年後には新規事業50億円を含む200億円へと倍増させる考えだ。
(写真)
会見での吉高社長
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