新規除草剤「ラピディシル」アルゼンチンで農薬登録を取得 住友化学2024年7月26日
住友化学は、アルゼンチンにおいて新規除草剤「ラピディシル®」(有効成分商標:エピリフェナシル)と同有効成分を含む製品の農薬登録を取得した。同製品の農薬登録の取得は世界で初めて。
「ラピディシル®」は、住友化学が独自に開発した有効成分で、同社が2020年代前半に登録申請を開始するパイプライン「A2020」のうち最大のポテンシャルを持つ剤と位置付けている。
PPO阻害剤と呼ばれる除草剤に属し、低薬量で優れた除草効果を示す茎葉散布処理剤で、既存PPO阻害剤に比べ速効性がある。幅広い広葉雑草やイネ科雑草に対して高い効果を発揮することから、リジェネラティブ(再生可能)農業の一つとして世界的に注目される不耕起栽培に適した性能を有し、土壌保全と二酸化炭素排出量の削減によるカーボンニュートラルへの貢献が期待できる。
アルゼンチンはブラジル、米国、中国に次ぐ世界第4位の農薬市場で、今後も需要が伸びると予想されている。住友化学は南米地域における研究から製造・販売までの一貫した事業体制を活用し、2024年の作付けシーズン向けに「ラピディシル®」を含む製品の販売を同国で開始を予定している。
さらに同社は、2021年に米国、カナダ、ブラジルで「ラピディシル®」を含む除草剤を登録申請し、現在各国で審査が進んでいる。アルゼンチンでの上市を皮切りに主要国における「ラピディシル®」を含有する製品ラインアップを拡充し、農業関連事業の成長ドライバーとしていく。また、グローバルな協力関係のもと、バイエル社が開発中のPPO阻害剤耐性作物との組み合わせによる次世代の雑草防除体系の提供も目指している。
同本剤を含め、不耕起栽培用の除草剤の製品群の売上収益として、グローバルで1000億円規模への展開を目指す。

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