農薬:年頭のあいさつ2021
【年頭あいさつ】継続的なイノベーションで日本の持続可能な農業に貢献する シンジェンタジャパン株式会社 代表取締役社長 的場 稔2021年1月5日

代表取締役社長 的場 稔
新年明けましておめでとうございます。年頭にあたりまして、謹んでご挨拶申し上げます。
一昨年の日本を含む世界各地でこれまでの想定を超えるような異常気象による農業被害に引き続き、昨年はCOVID-19の影響による外食向け農産物需要の低迷、農業従事者の労働力不足や、海外における農作物輸出制限の動き等、農業生産者が抱える課題はこれまでにないほどの広がりを見せています。まさに農業界も「変動性」「不確実性」「複雑性」「曖昧性」VUCA時代に直面している一方、国民の農業・食の大切さの認識が高まる良いきっかけになったというプラスの面もあったと思います。
このような農業を取り巻く課題の中、当社は持続可能な農業での世界をリードするイノベーションおよびテクノロジー企業として、農業従事者、社会、そして地球環境に貢献するための製品とサービスの提供を目指しております。世界規模での研究開発を核とした革新的な除草剤、殺虫剤、殺菌剤、種子処理剤及び種苗と、昨年買収したイタリアのValagro社のバイオスティミュラントを製品ポートフォリオに加え、デジタル技術と併せたソリューションとして持続可能な農業の推進に貢献していく所存です。
昨年11月に発表させていただいた、水稲湛水直播栽培用種子処理ソリューション「RISOCARE(リゾケア)」は、乗用管理機、ドローンや無人ヘリコプターなどを使って播種することで、平場での生産効率向上だけでなく、生産者の高齢化・労働力不足で田植機や苗箱の搬送が難しくなってきている中山間地の水田での作業を大幅に効率化でき、持続可能な農業へも貢献できると考えています。本年からの試験的販売に向け、関係パートナーと連携し、準備を進めてまいります。
また、シンジェンタは自然環境と社会的課題に対する取り組みとして、農業従事者が直面している気候変動に起因する脅威に対して今後5年間で約2000億円の投資を昨年表明しました。シンジェンタは、持続的な社会発展のための取り組みとして2013年より世界的にGood Growth Planを実施して昨年までにほぼ当初の目標を達成しましたが、この外部環境の変化に対応すべく2025年までの「新たなGood Growth Plan」を進めていくことを発表しています。日本においては、農薬工業会の将来ビジョン「JCPA VISION 2025」活動と連動して国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」と関連付けた取り組みや情報発信が行われてきていますが、当社も生物多様性の維持の取り組みとして『耕作放棄地のお花畑化プロジェクト推進協議会』をパートナーと設立して、日本の農業の重要課題である耕作放棄地をお花畑化し、養蜂資源、農薬被害の回避場所などとして利用することにより、地域の園芸農業に養蜂を通じて貢献することに取り組んでいます。
シンジェンタジャパンも今年20周年を迎えます。これまでの皆様のご指導ご支援に感謝するとともに、今後とも皆様方のご支援ご厚情を賜りますようお願い申し上げます。
生産者と社会がCOVID-19の影響から回復し、発展するとともに、本年が皆様にとり、より良い年となることを心からご祈念いたします。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日