ミネラルウォーター・フレーバー入りの市場 拡大の見込み 清涼飲料市場まとめ2016年5月30日
(株)富士経済は5月25日、清涼飲料16品目の国内市場の2015年結果分析と2016年展望をまとめた。
注目市場としてミネラルウォーター類と麦茶を取り上げた。ミネラルウォーター類の2015年はフレーバー入りが603億円(前年比172.3%)、プレーンが2592億円(同101.3%)、炭酸入り242億円(同110.0%)で、2016年見込みがそれぞれ658億円、2547億円、295億円となっている。
同社はフレーバー・炭酸がともにないプレーンが市場の75%を占めているとしながらも、ここ数年のフレーバー・炭酸入りの拡大により市場占有率は縮小しているとしている。またフレーバー入りは2015年発売の「南アルプスの天然水&ヨーグリーナ」「い・ろ・は・す もも」がヒットしたことなどから多様化が進み、引き続き実績拡大が進むとみている。炭酸入りはフレーバー入りほど売り場の広がりは見られなかったものの、2016年は「い・ろ・は・す サイダー」が発売されたことで需要シフトが期待され、大幅に拡大すると予想している。
麦茶(無糖茶飲料)は2015年879億円(前年比115.4%)、2016年見込み899億円で、2015年は夏の熱中症対策の啓発で需要を獲得。また冬のヒートショック(家の中の急激な温度差で身体に悪影響があること)対策の認知拡大で大きく伸びた。2016年も引き続き市場拡大が見込まれる。
◆清涼飲料全体では0.8%増
2015年の調査結果は果実・野菜系飲料が4800億円(前年比95.2%)、炭酸飲料5522億円(同99.9%)、乳性飲料1兆1370億円(同101.7%)、コーヒー飲料8639億円(99.4%)、茶系飲料9751億円(101.6%)、ミネラルウォーター類3437億円(同109.8%)、機能性飲料5694億円(同100.7%)、その他飲料1063億円(同100.0%)で、2016年見込みはそれぞれ4676億円、55.5億円、1兆1390億円8615億円、9831億円、3500億円、5672億円、1063億円だった。
清涼飲料市場は全体で前年比0.8%増。年初は4月に施行された消費税増税前の仮需要の裏返しで厳しいスタートだったが、GWの後転などで需要が上向いた。
2016年は横ばいが見込まれ、各メーカーは商品の選択と集中を進めることで利益を確保しやすい商品体制にシフトしている。また商品本体や販売家庭に付加価値を設けた商品展開を強化している。
果実・野菜飲料は原価高騰に高止まり感がみられたことに加え、輸入コストが高まった。注力度を下げるメーカーも見られ、2015年の市場は縮小。
乳性飲料は飲用牛乳が価格安定した影響もあって盛り返し、ヨーグルトの後押しで前年比増となった。ドリンクヨーグルトは特に機能性表示食品の発売により活性化した。
紅茶飲料は「午後の紅茶」以外のブランドの不振が目立っており、前年比マイナスが続いている。
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