「エシカル」に積極的な企業 9割が良い印象 意識・実態調査2020年10月28日
マーケティング事業を展開するトレンダーズ(株)は、20~40代の男女を対象に、人や社会、環境に配慮した消費を表す「エシカル消費」に関する意識・実態についてインターネット調査を行った。
世界的にSDGs(持続可能な開発目標)が推進され、「エコバッグの使用」や「ストローの脱プラスチック化」などが話題となるなか、ますます注目が集まると考えられる「エシカル消費」について年代や性別ごとの意識の違いや、現時点での課題などを探った。
若い世代ほど認知度が高い傾向
調査では「エシカル」という言葉の意味を知っているか聞いてところ、「知っている」「なんとなく知っている」が合計で23.0%。年代別では、20代が30.7%、30代が20.5%、40代が17.9%と、若い世代ほど認知度が高い結果になった。「エシカル」をコンセプトにした若者向けファッションブランドやコスメブランドが多いことが、理由の一つとして考えられる。
「エシカルな行動」の実践率女性の方が高い
「エシカル」という言葉の認知度は高くないが、「エシカルな行動」を実践する人は多く、実際に、「エコバッグの使用」(全体74.6%、男性59.6%、女性89.6%)、「食べ残しを減らす」(全体61.8%、男性52.0%、女性71.6%)などは半数以上の人が「実践している」と答えた。「エコ」や「食品ロス」に関連するニュースは報道も多いことから、「エシカル」という言葉自体は知らなくても、実践につながっていると考えられる。
「エシカルな行動」の実践率を男女別に見ると、「福祉施設で作られた商品の購入」(男性・女性ともに6.8%)を除いたすべての項目で、男性より女性の実践率が高かった。また、「エシカルな商品やサービスの購入(利用)頻度」については、「よく購入(利用)している」「たまに購入(利用)している」と答えた方の合計は42.2%。年代・性別ごとに見ると、30代女性(56.6%)と40代女性(50.0%)はともに半数以上となっており、「エシカルな商品やサービス」を特に頻繁に購入(利用)していることが分かる。「エシカル」という言葉の認知度は20代より低いが、30代や40代の女性は普段からスーパーなどで食品や日用品を購入する機会が多いと考えられ、それが「エシカルな商品やサービス」の購入(利用)頻度の高さにつながっているようだ。
「エシカルな商品やサービスの開発」に取り組む企業、「良い印象」が9割以上
「エシカルな商品やサービスの開発」に取り組む企業についての印象を聞いたところ、「良い印象」(29.2%)、「やや良い印象」(64.2%)と合計で9割以上(93.4%)が、ポジティブな印象を持っている。
SNSの投稿や広告で、半数以上が「エシカルな商品やサービス」に興味
SNSで見た投稿や広告がきっかけで「エシカルな商品やサービス」に興味を持ったり、購入・利用したりした経験について聞くと、「SNSでそのような投稿や広告を見たことがない」と答えた方を除くと、「興味を持ち、購入・利用したことがある」人が14.3%、「購入・利用したことはないが、興味を持ったことはある」人が36.8%。合計すると、半数以上(51.1%)が、SNSをきっかけに「エシカルな商品やサービス」に興味を持った経験があることが分かった。
「値段の高さ」や「貢献度の分かりづらさ」が課題
「エシカルな商品・サービス」を購入・利用する際の、気になる点やネガティブに感じるポイントを調査したところ、4人に1人以上(27.8%)は「特にない」と答えた。一方、「値段が高い」(35.6%)、「貢献度が分かりづらい」(34.8%)、「対象の商品やサービスが分かりづらい」(26.2%)などの声が挙がった。企業が「エシカルな商品・サービス」のマーケティング活動をおこなう際は、これらの不安やネガティブなポイントを取り除くことが重要だと言えそうだ。
「エシカル」は、プロモーションにも有効
SDGsをビジネスチャンスととらえるスタートアップが注目を集め、政府や企業の取り組みも加速する中、生活者の「エシカル」への意識は、今後さらに高まっていくと考えられる。
企業が「エシカル」にからめてプロモーションをおこなう際も、ターゲットの特性を見極めることが重要。例えば、「30~40代女性は購入率が高いので、購買につながりやすい広告の比重を大きくする」「『エシカル』の認知度が高い20代には『エシカル』という言葉で、認知度が低い30代以上には別の表現で伝える」などの工夫が効果的といえる。
重要な記事
最新の記事
-
納豆汁、鯨汁、菊の花のお浸し-山形内陸の食-【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第355回2025年9月11日
-
見かけは盛んな花の研究ですが...【花づくりの現場から 宇田明】第68回2025年9月11日
-
農業構造転換へ 自民の推進委が初会合2025年9月10日
-
「ひとめぼれ」3万1000円に 全農いわてが追加払い 「市場過熱で苦渋の選択」2025年9月10日
-
「まっしぐら」3万円に 全農あおもりが概算金引き上げ 集荷競争に対応2025年9月10日
-
科学捜査研究所を捜査せよ【小松泰信・地方の眼力】2025年9月10日
-
【JA人事】JA江刺(岩手県)小川節男組合長を再任(6月25日)2025年9月10日
-
岐阜県「ひるがの高原だいこんフェア」みのるダイニング名古屋店で開催 JA全農2025年9月10日
-
愛知県産いちじく・大葉使用 学生考案の地産地消メニュー 16日から販売 JA全農2025年9月10日
-
みのりカフェ・みのる食堂三越銀座店15周年記念 国産黒毛和牛の特別メニュー提供 JA全農2025年9月10日
-
「九州銘柄茶フェア」直営飲食6店舗で10月5日まで開催中 JA全農2025年9月10日
-
乃木坂46が伝える国産食材の魅力 7週連続、毎週水曜日に動画を配信 JA全中2025年9月10日
-
本日10日は魚の日「長崎県産からすみ」など130商品を特別価格で販売 JAタウン2025年9月10日
-
バイオスティミュラントに関する自主基準を策定 日本バイオスティミュラント協議会2025年9月10日
-
長野県産希少種ぶどう「クイーンルージュ」の秋パフェ登場 銀座コージーコーナー2025年9月10日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」「くるるの杜」で 北海道の食を堪能 JAタウン2025年9月10日
-
JAわかやまAコープとエコストア協働宣言「水平リサイクル」協働を強化 エフピコ2025年9月10日
-
「野菜ソムリエサミット」9月度「青果部門」最高金賞1品など発表 日本野菜ソムリエ協会2025年9月10日
-
日本農福連携協会とスポンサー契約を締結 農業総合研究所2025年9月10日
-
鳥インフル 米ジョージア州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年9月10日