畜産分野の温室効果ガス排出削減へ活動開始 DSM2021年2月4日
栄養、健康、サステナブルな暮らしの分野で事業を展開するグローバル・サイエンス企業のRoyal DSMは、2020年から始めた戦略的イニシアチブ「We Make It Possible」の一環として、畜産分野の温室効果ガス排出削減に関する活動を開始した。

この活動は、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の目標13「気候変動に具体的な対策を」の実現に寄与する畜産分野の温室効果ガス排出削減に向けた同社のコミットメントを表している。
畜産業界で実現すべきこととして、温室効果ガスであるメタンの削減と土地の富栄養化を招き、その結果として生物多様性を減少させるアンモニアの元となる亜酸化窒素の排出量を減らすことが挙げられる。同社は、バリューチェーンのあらゆる段階で排出量を削減できる革新的なソリューションを提供している。
世界中で気候変動が起きている今、畜産分野における温室効果ガス削減の必要性が高まっている。「"よりサステナブルなビジネスモデルにシフトすべきか否か"ではなく、"いかに速く、どれだけ効果のあるアクションを起こすことができるか"を真剣に考える時」と言うDSMアニマルニュートリション&ヘルスのプレジデント、Ivo Lansbergen氏は「畜水産業を営む人々が、動物性タンパク質を適正価格で販売でき、世界中の人々が手頃な値段で購入することができるモデルにシフトする必要がある。そして、このモデルで最も重要なのは、畜産による環境への負荷(温室効果ガスの排出、家畜排せつ物による水質汚染、生物多様性への影響)を大幅に削減する」と話す。
人類の活動による温室効果ガス(GHG)排出量のうち、畜水産業からの排出は、14.5%を占める。同社は長年にわたり、畜水産業が直面している課題を根本的に解決するため、温室効果ガス削減の以下6つのイノベーティブなソリューションを提供している。
ProAct:養豚、養鶏での窒素利用効率(NUE)を向上させることで、環境への窒素化合物流出を飼料の配合に応じて7~17%減少。
VevoVitall:養豚から発生するアンモニアを削減するテクノロジーで、その効果は十分に立証されており、アンモニア排出量を最大17%減少させる。
HiPhos:効果が非常に高い飼料添加物フィターゼで、有限の資源であるリン鉱石(P)への依存を低下。飼料に含まれる植物中のリン酸を遊離させることで、環境へのリン排出量を減らすことができる。
Bovaer:養牛のメタン排出量を直接的に減少させ、減少量30%以上の効果を一貫して発揮。
Digestarom(バイオミン社):畜産での飼料効率を向上させる製品。アンモニアの年間排出量26%減、48%の抑臭効果が確認されており、カーボンフットプリントの削減につながる。
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