都市に残る農業風景保全へ 業界最小クラスの危機管理型水位計 横浜で実証開始2021年2月24日
ベジタリア(株)の100%子会社、(株)イーラボ・エクスペリエンスは、洪水など水害による被害を減らすことを目指して開発した、業界最小クラスの一次電池駆動式の危機管理型水位計(自律型)「Field-EX(フィールド・イーエックス)」の実証実験を開始。横浜市が農業振興地域・農用地区域の景観保全と地域の活性化のために指定・整備している「寺家ふるさと村」(神奈川県横浜市青葉区)にある農業用ため池で、洪水被害を最小限にすることを目的に行われる。
業界最小クラスとなる一次電池駆動式の危機管理型水位計(自律型)「Field-EX(フィールド・イーエックス)」
イーラボ・エクスペリエンスでは、2019年から国土交通省が普及推進する、危機管理型水位計の課題となる"正確な水位の測定と確実な通信の実現"と"設置コストの低減化"を目指した自律型の危機管理型水位計を開発・提供。今回は、同社の原点である農業に欠かせない、ため池における水位管理の有用性を確認するために実証する。
危機管理型水位計は、"システムの省電力化"と"電池サイズのコンパクト化"を図ることで、現在流通する製品より50%以上サイズダウンしたコンパクトな水位計システムで、ため池のような、大規模に工事しにくい場所でも容易に設置しやすい。また、省電力技術による電源制御や測定・通信技術など、各分野のリーディングカンパニーが培った技術を活用することで開発コスト抑制し、従来製品の約半分の価格での提供を可能にした。
さらに、電池式の水位センサーやクラウド環境とビューアー、メール通知、センサーに蓄積されたデータを保存する機能(ロガー機能)など総合ソリューションを一元的に提供。今後はロガー機能により蓄積されたデータと気象予報データと組み合わせ、より精度の高い洪水予測を行えるよう開発を進めている。
実証実験を行う「寺家ふるさと村」は、横浜市の北西部の東京都町田市と川崎市に隣接した場所で、周囲を住宅地に囲まれている。この周辺は、「谷戸」と呼ばれる丘陵地が雨水などで浸食されて形成された谷状の地形。「谷戸田」と呼ばれる細長く伸びた水田が幾筋もあり、その奥にはため池が点在する「昔ながらの横浜の田園風景」が色濃く残っている。この地域は、都市農業の確立と都市環境を守ることを目的とした、横浜市独自の農業振興策である「農業専用地区」のひとつに指定されている。
当該地域での降雨時の水位状況は、ネットワークに接続されたパソコン、タブレットやスマートフォンなどから確認できる専用ビューアーで、リアルタイムかつ的確に把握できる。なお、今回の実証実験には別途、屋外乾電池式IoTカメラ「FieldCam(フィールドカム) FC-1000」を設置し、荒天など現場に近づけない場合でも、離れた場所から正確かつ詳細に状況を把握できるシステムを構築した。
同実証実験では、台風や豪雨時におけるため池水位の状況把握と、スムーズな危険通知が行われるかを検証。また、降雨量と水位増加の相関関係による危険水位上昇の予測ができるかの検証も併せて行い、住宅と農地が近接する都市で、ため池周辺地域の防災と水田保全にどの程度寄与できるかを把握し、地域住民の安全確保の一助となることを目指す。
実証実験を行うっ横浜市の「寺家ふるさと村」
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