9月の外食・中食レポート 2019年同月比9.9%減 前月より回復も客数は変わらず2022年11月17日
外食・中食市場情報サービス「CREST」を提供するエヌピーディー・ジャパンは11月16日、外食・中食市場2022年9月の動向分析レポートを公表した。

同レポートによると、9月の外食・中食市場は、感染者数が減少傾向。売上が2019年同月比9.9%減で前月より回復したが、客数は前月と同水準(同11.6%減)。全業態計イートイン売上は、9月に同23.7%減で、前月比3.7ポイント増だった。出前は、9月の売上が2019年同月比で52%増。
外食・中食市場全体の9月の2019年同月比(図表1)をみると、売上(金額市場規模)が9.9%減、客数(食機会数)が11.6%減。感染拡大による影響のピークは、2020年4月で市場規模前年同月比41.9%減。2020年10月に9%減まで回復したが、その後2021年1月、4月、7月の緊急事態宣言で20~39%減の状態が続いた。2021年9月末に緊急事態宣言が解除し、12月には10.7%減まで回復。2022年は、まん延防止等重点措置が適用され、2月は21.5%減まで落ち込んだ。
3月に全地域でまん防が解除され、3年ぶりに規制のない大型連休で始まった5月は同7.7%減まで回復したが、感染拡大第7波で、7月は同7.9%減。8月は感染者数が過去最大となり、同13.0%減と後退、9月は同9.9%減で同年6月と同水準で、客数は前月と変わらなかった。
全業態計イートインは23.7%減で、前月より後退
業態別・利用形態別の9月の売上2019年同月比は、外食・中食全体のイートインは同23.7%減で、前月より回復(前月比3.7ポイント増)。業態別では、FF+セルフカフェのテイクアウト・出前が同58%増で、前月より14ポイント増だった。
出前(デリバリー)は2019年同月比52%増
外食業態計(レストラン計)の出前(デリバリー)売上の2019年同月比は、プラス成長が続いている。デリバリー増加のピークは2020年5月の204%増だが、その後も2ケタ増が続き、特に2021年2月は133%増。同5月(158%増)、同7月(182%増、2022年は、2月(152%増)、5月(124%増)、7月(141%増)と特に大きく伸びた。9月は同52%増。
エヌピーディー・ジャパン フードサービスシニアアナリストの東さやか氏は今後の展望について、「リモートワーク実施率も減っており、今後はさらに通常モードに移行していくことが予想されるため、会社員の平日需要の取込みが重要。しかし、値上げの影響で、節約志向が強まり、イートイン、特に子供連れの外食・中食利用を控える傾向が強まると考えられる。市場全体で、値上げが進む中、価格に見合った価値、娯楽感や利便性、またはお得感を感じさせることが今後重要になってくる」としている。
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