林業新時代へ ドローン活用で獣害対策資材輸送の大規模実証実験に成功2024年9月18日
SRS Connect(大阪市中央区)は9月3日~10日、バイオマスパワーテクノロジーズ(三重県松阪市)、玉木材(奈良県五條市)と連携・協力し、ドローンを活用した獣害対策資材輸送の大規模実証実験を実施。林業界にイノベーションをもたらす可能性を秘めた画期的な結果が得られた。
人力では危険な急斜面で作業に取り組むDJI社製のドローン
紀伊半島の山々では、鹿による深刻な食害被害が続出し、植林しても育たないという悪循環に陥っている。この被害から森を守るため、防獣対策資材の設置が必要だが、支柱や網など重量物の人力輸送は困難を極め、特に急斜面での作業は危険度が高く、多くの時間と多額のコストを強いられていた。
今回の実証実験では、ドローン事業者と林業事業者のそれぞれの立場から知恵を結集。ドローンを活用した「新しい林業」の構築を目指し、奈良県五條市の山間部で実証実験を行った結果、輸送時間、機体の安定性、発着陸の安全性など、貴重なデータを収集することに成功した。
実証実験では、DJI社の最新鋭物流ドローン「DJI FlyCart 30」を用いて、急勾配の山林で実験期間中に300回を超える大規模な荷上げ作業が行われた。この規模は、全国的に他に類を見ないもので、新しい林業にふさわしい取り組み。現場からは「荷物を背負う場合に比べ、格段に楽になる」という声が寄せられ、林業従事者の負担軽減や働き方改革、労働環境改善への期待が高まっている。
この取り組みは、バイオマスパワーテクノロジーズが計画・実施するNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援事業「紀伊半島エリア各地でのセンダン・ヤナギ類・ナラ類・カシ類等の育苗~植林~搬出実証」事業の一環として実施。今後は、バイオマスパワーテクノロジーズが中心となり、この実験で得られたデータを詳細に分析し、新たな手法や技術開発に活かし、低調な林業の再生に挑戦する。
飛行の様子
重要な記事
最新の記事
-
【米価高騰・今こそ果たす農協の役割】農協は農家のインフラ 急がれる「備蓄米買い上げ」 神明・藤尾益雄社長インタビュー(下)2025年10月23日
-
現場の心ふまえた行政を 鈴木農相が職員訓示2025年10月23日
-
全中会長選挙を実施 12月に新会長決定 JA全中2025年10月23日
-
花は見られて飽きられる【花づくりの現場から 宇田明】第71回2025年10月23日
-
続・戦前戦後の髪型と床屋・パーマ屋さん【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第361回2025年10月23日
-
「ゆるふわちゃんねる」登録者数100万人突破 JAタウンで記念BOXを限定販売 JA全農2025年10月23日
-
愛知県の新米「愛ひとつぶ」など約50商品「お客様送料負担なし」で販売中 JAタウン2025年10月23日
-
人気アニメ『ゾンビランドサガ』とコラボ「佐賀牛焼肉食べ比べセット」販売開始 JAタウン2025年10月23日
-
佐賀県発の新品種ブランド米「ひなたまる」デビュー記念 試食販売実施 JAグループ佐賀2025年10月23日
-
AI収穫ロボットによる適用可能性を確認 北海道・JAきたそらちと実証実験 アグリスト2025年10月23日
-
西欧化で失われた日本人の感性や自然観とは? 第2回シンポジウム開催 2027年国際園芸博覧会協会2025年10月23日
-
GREEN×EXPO 2027で全国「みどりの愛護」のつどいと全国都市緑化祭を開催 2027年国際園芸博覧会協会2025年10月23日
-
食とエネルギーの自給率向上と循環型社会の実現に向けた連携協定を締結 パソナ、ヤンマー、Well-being in Nature2025年10月23日
-
栃木県「那須塩原牛乳」使用 3商品を栃木県内のセブン‐イレブンで発売2025年10月23日
-
都市農地活用支援センター 定期講演会2025「都市における農空間の創出」開催2025年10月23日
-
岩手県山田町「山田にぎわい市」26日に開催「新米」も数量限定で登場2025年10月23日
-
ニッテン×QuizKnock コラボ動画を公開 日本甜菜製糖2025年10月23日
-
北海道の農業法人25社以上が出展「農業法人と求職者のマッチングフェア」開催2025年10月23日
-
福岡市で「稲刈り体験」開催 グリーンコープ共同体2025年10月23日
-
被爆・戦後80年 土浦市で被爆ピアノの演奏と映画上映 パルシステム茨城 栃木2025年10月23日