「製麺所(製麺業)」倒産減少 コメ高騰で麺が人気 帝国データバンク2025年11月10日
帝国データバンクは、「製麺所(製麺業)」の倒産発生状況について、負債1000万円以上・法的整理による倒産を対象に調査・分析を行った。調査期間は2000年1月1日~2025年10月30日まで。
「製麺所」倒産件数の推移
同調査によると、2025年1~10月に発生した「製麺所」の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は4件にとどまった。外食向けの売り上げ減少と原材料コストの急騰で過去最多を記録した2022年(年間13件)の3分の1の水準となり、2017年(同4件)と並び、過去10年で最少ペースで推移。小規模な製麺所の廃業など、実際はより多くの製麺所が市場から退出したとみられるが、製麺所の経営環境は改善傾向にある。
製麺所における2024年度の業績動向をみると、前年度から売り上げを増やした「増収」企業の割合は38.9%だった。過去20年で最も高かった2023年度(46.3%)に比べると見劣りするものの、4割に迫る水準を維持。利益面でも、利益を増やした「増益」が44.2%を占め、過去20年で2番目に高く、利益を確保できなかった「赤字」(19.3%)は同最少となるなど、業況の大幅な改善がみられた。
製麺所では、輸入小麦の価格高騰をはじめとした原材料価格の高騰に加え、「糖質カット」に代表される健康志向の高まりなどを背景に、積極的な業容拡大が難しい状況が続いていた。しかし、近時はコメ高騰を背景に割安なメニューとしてラーメンやうどんなどの麺メニューを増やす飲食店が増加したことで、安定的な受注を確保するケースが多くみられる。
麺メニューの種類が増え、各店のスープに合う独自の麺開発といった特注品の引き合いも増加したことで、新たな販路開拓や価格競争に巻き込まれない商品力を強化できた製麺所も多かった。家庭向けでも、代替品として価格が比較的安定しているパスタやうどん、中華麺などが「主食としての利用が増えている」ことも、製麺業者の業績に強い追い風となった。
他方で、エネルギーコストや運送費、包装資材、賃上げによる人件費の増加など恒常的なコスト増に直面しており、製品価格の改定といった動きを余儀なくされた一面もある。ただ、商品の値上げは同業他社との競争や、物価高を背景とした消費者の節約志向から「限度がある」との見方も多く、十分な価格転嫁ができない製麺所を中心に減益や赤字となったケースもみられるなど、業績面で二極化傾向もみられる。
足元では、麺メニューの注目度アップを追い風にするため、著名な飲食店とのコラボレーションや、ブランド力の高いご当地ラーメンの商品開発など、収益性の高いチャネルとの間で商品開発が進んでいる。コメ高騰による麺への需要シフトは一時的なものとなる可能性もあるものの、麺の品質とブランド力を高め、値上げを正当化できる付加価値の高い商品ラインアップを拡充できるかが問われそうだ。
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