マーガリン類 ゼラチンが香り成分放出に影響することを確認 雪印メグミルク2025年12月23日
雪印メグミルクは、マーガリン類のような、水が油の中に分散した乳化形態(W/O乳化物)では、配合したゼラチンが、香り成分の放出に影響することを明らかにした。同研究内容を発表した「日本油化学会第63回年会」で、日本油化学会関東支部から若手研究者奨励賞を受賞した。
第13回関東支部若手研究者奨励賞記念講演会での発表
マーガリン類では、バター様の風味に近づけて嗜好性を高めるための研究開発が進められている。これまで、マヨネーズやドレッシングのような油が水の中に分散した、O/W乳化物(Oil-in-Water Emulsion)の油水界面の構造と香り成分の放出の関係は研究されていたが、マーガリン類のような水が油の中に分散した、W/O乳化物については、十分研究が進んでいない。
特に、高脂肪タイプに比べて、低脂肪マーガリン類は香り成分の放出が弱く、バター様の風味の付与が難しいとされており、同社は、バター様の風味を向上させた低脂肪マーガリン類の開発を目指し、香りや味が放出されるメカニズムの研究を行っている。
同研究では、2種類のW/O乳化物を対象として香り成分を分析(SPME-GC/MS)。その結果、ゼラチンを含む乳化物の脂肪酸(香り成分)の放出量は、ゼラチンを含まない乳化物と比較して、大幅に減少することが分かった。この現象はゼラチンとの相互作用により脂肪酸の放出が抑制されたことによると推察される。(QCM測定)
同研究では、マーガリン類で、ゼラチンの有無がバター様の風味に重要な香り成分(脂肪酸)の放出に影響を与えることを明らかにした。今後、得られた知見を活用して、バター様の風味を向上させた低脂肪マーガリン類の開発が期待される。
同研究の成果は学術雑誌『Journal of Japan Oil Chemists' Society』に掲載された。
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