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「ひきこもりVOICE STATIONフェス」誰もが生きやすい地域を呼びかけ パルシステム連合会2026年2月5日

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パルシステム連合会が企画委員を務める、厚生労働省「ひきこもりに関する地域社会に向けた広報事業」は1月24日、「ひきこもりVOICE STATION フェス」を渋谷ストリームホール(渋谷区渋谷)で開催。ひきこもりへの社会的理解を広げるキャンペーンの一環として、5回目となる開催では、社会の多様性への不寛容に直面した経験者のさまざまな思いを伝えた。

ひきこもり経験を語った山田ルイ53世さん(左)宮本亞門さん(中央)まいきちさん(右)ひきこもり経験を語った山田ルイ53世さん(左)宮本亞門さん(中央)まいきちさん(右)

イベントは今年度の「ひきこもりVOICE STATION」の集大成として、自身もひきこもり経験のある演出家の宮本亞門さんが、ファシリテーターを務め、ひきこもり経験のあるお笑い芸人山田ルイ53世さんとインフルエンサーまいきちさんとともに、自身の過去の感情の浮き沈みを表現する「人生ドラマグラフ」でそれぞれの当時の思いを振り返った。ひきこもり経験を基にしたアートを紹介するバーチャル!「‟HIKIKOMORI"ANYONE?他人事じゃないかも展」で印象に残った作品の感想なども伝え合い、多様な思いを抱える人たちの存在を知るきっかけを作った。

山田ルイ53世さんは、完璧であることを自らに課し過ぎて、中学2年生から6年間ひきこもりを経験。優秀な子どもとして周囲の大人から認められ、自分の意思で中学受験を決めて地元の名門中高一貫校に進学したが、学校生活での失敗をきっかけに自宅の部屋にひきこもるようになった。

インターネットもSNSもなかった当時は、部屋の窓の隙間から見える風景だけが外界との唯一の接点で、望遠鏡で外を観察し過ごしてていたという。ひきこもりの知見やフリースクールがなかった当時は、親も何が起こったのかと戸惑っていたのではと当時を振り返る。

ひきこもりながらも「優秀な自分は、やる気になればすぐにでも取り返せる」と考えていた山田さんは、ある日ふとテレビで成人式のニュースを見て「同世代が遠くに行ってしまう」と感じ、これをきっかけに「玄関まで行こう」「靴につま先を入れてみよう」と「とりあえず」を重ね、外に出られるようになったと話す。

山田さんは「ひきこもりは誰でも止まりうる双六の1コマ」と言い「誰もが夢や希望を持つのが当たり前ではないはず。行き当たりばったりでも、目の前の小さな一歩を進めれば素晴らしいこと」と伝えた。

まいきちさんは、幼少期から容姿も頭も良かったことから、自分なら成功できると信じて11歳でSNSを始めた。目立つ存在で、意思をはっきりと伝える性格であったためか、小中学校でいじめを受けてきたが、相手にしないことで乗り越えていた。

15歳で芸能プロダクションに所属し、デビュー後にコロナ禍となり自身も罹患。「罹患するのは自分が悪い」という風潮があった中、まいきちさんはSNSでも学校でも「近づくな」といじめを受け不登校になった。ひきこもっていた期間は否定の声が頭の中にこびりつき、自分との戦いでへとへとになり「痛みに集中していれば、他のことを考えなくても済む」と自傷行為を繰り返していた。

部屋に閉じこもっているので、倒れていても誰にも気付かれず過ごしていたが、ふと鏡を見た時に「頑張っているのに自分を傷つけるこの子を守ってあげないと」と感じ、芸能界で生きると決めて自傷行為をやめることを決意した。

「SNSの配信はキラキラした場所だけを切り取りますが、幸せの物差しは周りと比べた自分ではないはず。見えない所ではみんな辛い思いや悩みを持っています」と話し、「自分の経験を理解しようとしてくれる人がいるこの空間が、幸せで奇麗だと感じ、活力をもらえた」と参加者に思いを伝えた。

ひきこもりの経験は「人生の勲章」

宮本さんは、幼少期から日本舞踊や仏像が好きで他の子どもと興味が違い「同じにしないといけない」ことに違和感を覚えていた。高校生の時に周りに合わせることに疲弊し、1年ほど不登校になったが、部屋にこもって繰り返しクラシックを聴き続けた経験などが、演出家の仕事につながった。

宮本さんは「不登校は、自分を守ろうと意思を持って決めること。人と違うのは良いことで、新しい発想を持てる可能性がある。ひきこもりは、次の人生やきっかけを見つけるための素晴らしい経験」と語る。共通の価値観などないはずなのに、誰もが「普通」という言葉を安易に使い過ぎていると話し「ひきこもりの方が普通かもしれない」と訴える。

「まじめな人ほど息苦しさを感じ、ひきこもりになるが、苦しみがあるからこそ持っている強さがある。役者も痛みが分かるから、人に伝えることができる」と宮本さん。ひきこもりは「人生の勲章」だと誇りを持ち、誰もが自分を大切にできる社会になれば良いと語った。

経験者らが演じた当事者一人ひとりの思い

会場では、ひきこもりの経験談を基にしたショートドラマ「こもリアル」全6話のダイジェストを上映。ドラマを監修した宮本さんが、監督の山田英治さんと6人の俳優、エピソードを提供した経験者からそれぞれの思いを引き出した。

山田監督は5年前の「ひきこもりVOICE STATION」立ち上げ時から関わり、当事者や経験者の声を取材して動画などで紹介してきた。伝わりづらい長い期間の孤独や孤立が、より多くの人たちに知ってもらえるようにと、今年度はSNSで拡散できるショートドラマを制作した。12月に公開した動画は、1か月ほどで総数200万回再生を超えている。

山田監督はエピソードを提供した当事者から、当時の思いなど徹底的に話を聞いてドラマを制作。ドラマには、ひきこもりの経験がある俳優も出演し、自身の当時の思いを振り返りながら演じたと話す。経験のない俳優も長い期間の苦しみを1日演じただけでも苦しくなったと語った。

イベント後半は、VOICE STATION事務局メンバーで主にイベントのパネルトークやワークショップを担当する東善仁さんと山森彩さんとともに、神奈川、高知、秋田、新潟、奈良、大分の6都市で開催した「ひきこもりVOICE STATION全国キャラバン」を振り返った。

キャラバンは各地でそれぞれテーマを設け、当事者と経験者、家族や支援者などさまざまな立場の人が登壇し、それぞれの経験や思いを伝え合った。会場と各都市の団体が運営する居場所をオンラインで中継し、それぞれの活動やキャラバンで印象深かった話などを紹介した。

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