マメ科植物と根粒菌の共生に関わる重要な遺伝子を発見2020年3月3日
農研機構は、理化学研究所、日本大学生物資源科学部、東北大学、かずさDNA研究所との共同研究で、マメ科植物と根粒菌の共生に関わる重要な遺伝子を発見した。
窒素は植物の生育にとって必須養分。大気中に大量に存在する窒素を植物が直接利用することはできないが、マメ科植物の根に住みつく土壌細菌「根粒菌」は、空気中の窒素をアンモニアに変え、マメ科植物に供給する共生窒素固定という働きがある。一方、根粒菌の中には、マメ科植物に住みつくが、窒素固定をほとんど行えない「不良根粒菌」がある。
今回の共同研究では、窒素固定の低下を引き起こす原因となる根粒菌の遺伝子と、その効果を打ち消すマメ科植物の遺伝子を発見した。
共同研究チームは、マメ科のモデル植物であるミヤコグサを用いて、不良根粒菌とミヤコグサの共生に関わる遺伝子について解析。その結果、ミヤコグサの突然変異体と、この変異体でほとんど窒素固定を行えない根粒菌株の解析から、窒素固定の低下を引き起こす根粒菌の遺伝子(DCA1遺伝子)と、その影響を打ち消して窒素固定を可能にするミヤコグサの遺伝子(APN1遺伝子)を発見した。
これにより、共生に不適な根粒菌株に対しても正常な窒素固定活性をできるようにする宿主植物の共生戦略を初めて明らかにした。DCA1遺伝子を発現する根粒菌とマメ科植物の相性を改善し、共生窒素固定の利用効率を向上させる技術の開発につながることが期待される。
同成果は米国の科学雑誌「PNAS」のオンライン版で1月3日に発表された。
(写真:(上段)根粒菌接種後4週間のapn1変異体の様子。スケールバー:2cm。(下段)apn1変異体の根粒)
重要な記事
最新の記事
-
【米価高騰・今こそ果たす農協の役割】農協は農家のインフラ 急がれる「備蓄米買い上げ」 神明・藤尾益雄社長インタビュー(下)2025年10月23日
-
現場の心ふまえた行政を 鈴木農相が職員訓示2025年10月23日
-
全中会長選挙を実施 12月に新会長決定 JA全中2025年10月23日
-
花は見られて飽きられる【花づくりの現場から 宇田明】第71回2025年10月23日
-
続・戦前戦後の髪型と床屋・パーマ屋さん【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第361回2025年10月23日
-
「ゆるふわちゃんねる」登録者数100万人突破 JAタウンで記念BOXを限定販売 JA全農2025年10月23日
-
愛知県の新米「愛ひとつぶ」など約50商品「お客様送料負担なし」で販売中 JAタウン2025年10月23日
-
人気アニメ『ゾンビランドサガ』とコラボ「佐賀牛焼肉食べ比べセット」販売開始 JAタウン2025年10月23日
-
佐賀県発の新品種ブランド米「ひなたまる」デビュー記念 試食販売実施 JAグループ佐賀2025年10月23日
-
AI収穫ロボットによる適用可能性を確認 北海道・JAきたそらちと実証実験 アグリスト2025年10月23日
-
西欧化で失われた日本人の感性や自然観とは? 第2回シンポジウム開催 2027年国際園芸博覧会協会2025年10月23日
-
GREEN×EXPO 2027で全国「みどりの愛護」のつどいと全国都市緑化祭を開催 2027年国際園芸博覧会協会2025年10月23日
-
食とエネルギーの自給率向上と循環型社会の実現に向けた連携協定を締結 パソナ、ヤンマー、Well-being in Nature2025年10月23日
-
栃木県「那須塩原牛乳」使用 3商品を栃木県内のセブン‐イレブンで発売2025年10月23日
-
都市農地活用支援センター 定期講演会2025「都市における農空間の創出」開催2025年10月23日
-
岩手県山田町「山田にぎわい市」26日に開催「新米」も数量限定で登場2025年10月23日
-
ニッテン×QuizKnock コラボ動画を公開 日本甜菜製糖2025年10月23日
-
北海道の農業法人25社以上が出展「農業法人と求職者のマッチングフェア」開催2025年10月23日
-
福岡市で「稲刈り体験」開催 グリーンコープ共同体2025年10月23日
-
被爆・戦後80年 土浦市で被爆ピアノの演奏と映画上映 パルシステム茨城 栃木2025年10月23日