垂直農法作物の市場規模 2027年に10億2133万米ドル到達を予測2021年5月26日
株式会社グローバルインフォメーションは5月24日、市場調査レポート「2027年までの垂直農業作物市場予測- COVID-19の影響と世界の分析、作物タイプ別(トマト、葉物野菜、ハーブ、その他)、最終用途別(食品小売、フードサービス)、農業技術別(ハイドロポニックス、エアロポニックス、アクアポニックス)」(The Insight Partners)を発売した。
垂直農法作物の市場規模は、2019年の2億3990万米ドルから(年平均成長率(CAGR)20.0%で成長し、2027年には10億2133万米ドルに達すると予測されている。垂直農法は、垂直に重ねたり、水平に積み上げたり、3次元的な構成で栽培される植物の生産方法。商業的な垂直農法のほとんどは、発光ダイオード(LED)を唯一の光源とし、屋内で作物を生産している。他に温室内での垂直農法もあるが、作物や構造物の陰になることで光量にばらつきが生じ、均一な作物を作ることは難しい。地元産の無農薬野菜を求める声が高まる一方で、従来の農業では耕作地が限られていることから、世界各地で垂直農法作物の需要が高まっている。
アジア太平洋地域の垂直農法作物市場は、最も高いCAGRで成長すると予測。この地域の市場成長の主な要因は、インドや中国などの人口が増加により、食品に対する需要が高まっている。これらの新興国では、中間層の人口が急増し、都市化が進んでいるため、市場参加者に十分な機会を提供。インド、中国、インドネシア、フィリピン、ベトナム、タイなどの国々では、農業部門が著しく伸びており、垂直農法作物の消費者基盤が大きく成長している。
新型コロナウイルスの垂直農法作物市場への影響
新型コロナウイルスの影響により、主要産業の一つである農業は、サプライチェーンの寸断や企業の閉鎖など深刻な混乱に陥っている。アジア諸国は世界の農業の中心地であり、最大の原料供給国の一つ。これらの国の工場やプラントの停止は、世界のサプライチェーンに影響を与え、商品の製造、配送スケジュール、販売に悪影響を与えている。また、欧州、アジア、北米の国々による渡航禁止措置が、ビジネスコラボレーションやパートナーシップの機会を制限。これらの要因は、垂直農法産業に関連する市場成長を抑制している。
限られた耕作地が、垂直農法を後押し
人口の増加に加え、世界的な水不足により、地球は食糧危機に直面している。2050年に97億人に達すると予測される人口を養うには、ブラジルよりも広い1億900万ヘクタールの耕作地が必要。耕作可能な土地の80%がすでに使われていることから、従来の農業方法に頼るだけでは、深刻な食糧不足に直面することになる。気候変動によってさらに悪化する可能性のある水不足も、世界の食糧システムにとっての脅威。国連によると、2025年までに世界の3分の2の人が、水不足の地域に住むようになると言われている。現在、世界の淡水の70%は伝統的な農業に使われているため、水不足は確実に食糧危機を直結する。また、気候変動の影響は予測できないため、食料システムにも圧力がかかるといえる。極端な温度上昇は干ばつや過度の降雨を招き、作物の生育を妨げる可能性がある。
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