タマネギのケルセチンに認知機能維持を確認 機能性表示食品へ期待 農研機構などの研究で2021年5月27日
農研機構、北海道情報大学、岐阜大学等の研究グループは5月26日、野菜や茶、果物などに含まれ、特にタマネギに多く含まれる「ケルセチン」の健康機能性に着目。タマネギのケルセチンが認知機能に及ぼす影響についての研究で、タマネギのケルセチンは、認知機能維持に役立つ機能があることを報告した。認知機能の維持に役立つ機能などを表示する、生鮮タマネギの機能性表示食品の届出に向けて期待される。
ケルセチンを多く含むタマネギ「さらさらゴールド」(株)植物育種研究所提供
同研究グループは、「ケルセチン」の健康機能性に着目し、タマネギのケルセチンが認知機能に及ぼす影響を研究してきた。今回、60~80歳の健康な男女70人に、ケルセチンを多く含むタマネギ「さらさらゴールド」、またはケルセチンを含まないタマネギの粉末を約5か月間(24週間)毎日食べてもらい、摂取前後に一般的な認知機能検査であるミニメンタルステート検査を実施。その結果、ケルセチンを多く含むタマネギを食べた人は、ケルセチンを含まないタマネギを食べた人に比べて、摂取後に検査の点数がより大きく増加することを確認。タマネギのケルセチンが認知機能の維持に役立つことが示された。同成果は5月21日、「J Clin Biochem Nutri」のオンライン版で公開された。
ミニメンタルステート検査(MMSE)による認知機能評価の結果
日常の食事の中で摂取するタマネギが、加齢に伴い低下する認知機能の維持に役立つ可能性を示したことから今回の結果に基づき、ケルセチンを関与成分とし、加齢に伴い低下する認知機能の維持に役立つ機能などを表示する、生鮮タマネギの機能性表示食品の届出をめざす。
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