窒素汚染と食料増産への解決策「アンモニウムの活用」提案 国際農研2021年6月3日
国際農研は、米プリンストン大学公共国際問題大学院と共同で、窒素汚染の低減と作物の生産性向上のため、アンモニウムを活用した解決策を提案。生物的硝化抑制(BNI)技術の活用により、少ない肥料投入で食料生産が可能になり、農地の汚染も同時に削減。アンモニウムの有効利用により、温室効果ガスである亜酸化窒素発生を抑制し、各国のパリ協定国別目標達成への貢献が期待される。
「アンモニウムの活用」は、植物自身が根から物質を分泌して硝化を抑制する生物的硝化抑制(BNI)や、合成硝化抑制剤(SNI)を活用すること。作物が窒素肥料を有効利用できるよう、土壌中にアンモニウムを保持・活用することによって、窒素利用効率を向上させ、食料増産に応える。また、CO2の310倍強力な温室効果ガスである亜酸化窒素の発生や、水圏への硝酸、亜硝酸の流出を防止できる。
土壌中の微生物の働きによる硝化を制御する技術にはSNIが知られているが、国際農研はBNIの現象に着目し、世界各国の17機関とBNI国際コンソーシアムを形成して、世界のBNI研究を主導して進めている。
BNIはSNIの限界を克服し、アンモニウムを効率よく活用する作物品種の併用により、食料生産システムの窒素利用効率を向上させる可能性がある。「アンモニウムの活用」が世界の食料生産システムの中で有効利用されることで、窒素汚染の低減と食料増産に応える新たな解決策になることが期待される。同研究成果は、「Proceedings of the National Academy of Sciences of United States of America (PNAS)」電子版に掲載された。
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