県内で初めてダイズ黒根病を確認 新潟県2021年8月20日
新潟県病害虫防除所は、エダマメに県内未発生のダイズ黒根病を確認し、8月19日に特殊報第1号を発令した。
6月に新潟県内のエダマメ(品種:小平方茶豆、極早生茶豆、初だるま)ほ場で、地上部の生育が不良となる症状が発生。根の生育も悪く、一部の根に黒変症状が確認された。
このエダマメを新潟県農業総合研究所園芸研究センターで同定した結果、Thielaviopsis sp.が分離され、県内では未発生のダイズ黒根病と判明した。この病は1977年に、北海道十勝地方で初めて発生が確認されている。
地上部は生育不良となり、莢数の減少や莢肥大が悪くなるとともに、地下部が黒褐色に変色し、根腐れ症状を起こす。側根は黒変腐敗して消失する。
この菌は、糸状菌の一種で土壌伝染する。罹病部に厚膜胞子や分生子を形成し、罹病残渣とともに土壌中に残留して伝染源となる。なお、厚膜胞子は土壌中に長期間生存が可能である。
この菌は種が同定されていないが、近縁種のThielaviopsis basicolaはナス科、キク科、マメ科、セリ科など、広範囲の植物に感染する土壌病原菌で、ダイズへの病原性も確認されている。防除対策は次のとおり。
〈防除対策〉
○この病に対する登録薬剤はない。
○連作で土壌中の病原菌の密度が高まるため、発生ほ場では連作を避ける。
○発生ほ場で使用した農機具類、長靴などは付着した土壌をていねいに洗浄し、他のほ場に病原菌を持ち込まないようにする。
○雨による土壌の流出を防止するため、明渠を設置するなどの対策を行う。
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