AIでレタスの生育状況を推定する実証試験に成功 NEDO×ファームシップ2022年4月27日
株式会社ファームシップは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が取り組む「人工知能技術適用によるスマート社会の実現」事業で、AIを活用した野菜の非接触・非破壊重量推定アルゴリズムの開発を進め、実際の植物工場で生産されたレタスの重量を開発したアルゴリズムで推定する実証試験を実施。実測値に対して高い推定精度を確認した。
実際の植物工場で 栽培中のレタスの重量分布例
植物工場は、露地栽培に比べて天候に左右されず、狭い耕地で安定的に生産できることから、近年は野菜の生産量が著しく伸びているが、植物工場でも生育環境を完全に均一にすることは難しい。成長速度には個体ごとのばらつきもあることから、植物工場における生育状況の効率的な把握・管理が課題となっている。
同事業で開発したアルゴリズムは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を利用したObjectdetectionという手法と、重量密度をCNNに学習させることで、CNNが重量密度を予測できるようにした回帰分析手法を組み合わせている。
同実証試験では、20個のレタスが部分的に重なった画像から個々のレタスの矩形(長方形)面積を正確に抽出し、相関係数0.76(完全一致は1、相関関係がなければ0)と高い連動性で個々のレタスの重量を推定することに成功した。
通常、CNN画像を学習するには、正方形に変換する必要があるが、元々のレタスの大きさの情報が失われてしまう課題があった。そのためこの手法では重量密度を推定して、最後に矩形面積を乗じてレタスの重量を算出することで、矩形の大きさの情報を活かしてより正確な予測できるようにした。複数のレタスを同時に、かつ非接触・非破壊で計測できることから、栽培途中でも効率的に個体ごとの重量を推定することが可能となる。
NEDOとファームシップは、このアルゴリズムを用いて、植物工場での植え替え作業時にレタスを撮影して生育状況を推定。個々ごとの重量を揃えて栽培できるシステムの実現をめざす。
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