害虫を超音波の振動で撃退 タバココナジラミなど難防除害虫の新たな防除法を開発 農研機構2022年5月24日
農研機構とピクシーダストテクノロジーズは、多くの化学農薬に対し耐性をもつ農業害虫のタバココナジラミとワタアブラムシに超音波を用いた非接触力を与えると、作物から離脱することを明らかにした。
タバココナジラミ成虫のオス(左)とメス
タバココナジラミとワタアブラムシは、様々な野菜や観葉植物、花き類などを加害する重要害虫。食害やすす病が問題となるだけでなく、多種の植物ウイルスを媒介することから、深刻な被害が世界中で広がっている。これらの害虫の防除には化学農薬が使われているが、様々な化学農薬に対して強い耐性を示すことから、化学農薬だけに頼らない、新たな防除技術が求められている。
超音波集束装置を用いた害虫類の離脱試験の模式図
今回、農研機構とピクシーダストテクノロジーズは、作物上のタバココナジラミとワタアブラムシに超音波を用いた非接触力を与えて反応を観察したところ、作物から離脱することを明らかにした。特にタバココナジラミについては、1~480Hzの振動を1分間与えることで、50~60%の成虫を照射した葉から追い払った。また、非接触力を飼育箱中のタバココナジラミに計8時間(1日あたり4時間)与えると、産卵数が半減。超音波を用いた非接触力が害虫防除に有効であることが示された。
同成果から、超音波を用いた非接触力は、化学農薬を用いずに害虫を防除できる点で、これまでになかった物理的防除技術の開発に役立つと考えられる。今後の実用化に向けて、温室内全域を移動可能な装置を開発し、離脱した害虫を粘着板や吸引機などで回収可能か検討していく。
重要な記事
最新の記事
-
米粉で地域振興 「ご当地米粉めん倶楽部」来年2月設立2025年12月15日 -
25年産米の収穫量746万8000t 前年より67万6000t増 農水省2025年12月15日 -
【年末年始の生乳廃棄回避】20日から農水省緊急支援 Jミルク業界挙げ臨戦態勢2025年12月15日 -
高温時代の米つくり 『現代農業』が32年ぶりに巻頭イネつくり特集 基本から再生二期作、多年草化まで2025年12月15日 -
「食品関連企業の海外展開に関するセミナー」開催 近畿地方発の取組を紹介 農水省2025年12月15日 -
食品関連企業の海外展開に関するセミナー 1月に名古屋市で開催 農水省2025年12月15日 -
【サステナ防除のすすめ】スマート農業の活用法(中)ドローン"功罪"見極め2025年12月15日 -
「虹コン」がクリスマスライブ配信 電話出演や年賀状など特典盛りだくさん JAタウン2025年12月15日 -
「ぬまづ茶 年末年始セール」JAふじ伊豆」で開催中 JAタウン2025年12月15日 -
「JA全農チビリンピック2025」横浜市で開催 アンガールズも登場2025年12月15日 -
【地域を診る】地域の農業・農村は誰が担っているのか 25年農林業センサスの読み方 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年12月15日 -
山梨県の民俗芸能「一之瀬高橋の春駒」東京で1回限りの特別公演 農協観光2025年12月15日 -
迫り来るインド起点の世界食糧危機【森島 賢・正義派の農政論】2025年12月15日 -
「NARO生育・収量予測ツール」イチゴ対応品種を10品種に拡大 農研機構2025年12月15日 -
プロ農家向け一輪管理機「KSX3シリーズ」を新発売 操作性と安全性を向上した新モデル3機種を展開 井関農機2025年12月15日 -
飛翔昆虫、歩行昆虫の異物混入リスクを包括管理 新ブランド「AiPics」始動 日本農薬2025年12月15日 -
中型コンバインに直進アシスト仕様の新型機 井関農機2025年12月15日 -
大型コンバイン「HJシリーズ」の新型機 軽労化と使いやすさ、生産性を向上 井関農機2025年12月15日 -
女性活躍推進企業として「えるぼし認定 2段階目/2つ星」を取得 マルトモ2025年12月15日 -
農家がAIを「右腕」にするワークショップ 愛知県西尾市で開催 SHIFT AI2025年12月15日


































