植物体表面温度の3次元計測技術を開発 植物全体の温度状況把握が可能に 農研機構2022年9月26日
農研機構は、植物体表面の温度分布を3次元で高精度に可視化する技術を開発した。同技術は、温度変化を伴うような、植物の生理応答性を高精度に定量する技術の確立に貢献。また、将来この技術を基盤技術として、農作物の環境ストレスや病害の早期検知技術等へ応用することも期待される。
植物の表面温度のデータは、生育状況や生理的な障害の有無を把握する指標として、農作物の栽培技術開発や基礎科学研究の分野において頻繁に用いられる。
通常、植物体の表面温度分布とその温度を示す部位を正確に特定するためには、熱画像とRGB画像を同一の画角から撮影し、対象が重なるよう二種類の画像を重ね合わせる必要がある。ただし、従来技術で重ね合わせが可能なのは2次元画像のみで、隠れた部位で生理障害が起きた場合、見落とすことがあった。また、葉の表側と裏側等、異なる角度から見たデータを抽出するには、それぞれの角度から撮影した画像に対して、その都度、重ね合わせを行うなど手間がかかっていた。
今回、農研機構では、植物体の複雑な立体形状や色、表面温度分布が一体化した高精度な3次元データの取得技術を開発。一度の撮影で、あらゆる角度から見た草姿を観測、記録でき、植物体上での温度変化を見落とすことなく検出できるようになる。同技術は、熱画像とRGB画像の各々から3次元像を作成し、それらを正確に誤差数ミリ程度の精度で統合するもの(図1)。これにより、葉や茎、果実等、指定した部位の面積や体積を高精度に計測した上で表面温度データを取得することが可能になる。
将来は、生理応答の精密計測の基盤技術として同技術を応用し、植物の環境ストレスや病害を早期に検知する技術や、生育不良、収量低下のリスクを予測するシステム等を構築することで、栽培技術の高精度化に貢献する。
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