【特殊報】トルコギキョウ斑点病 津軽地域で確認 青森県2022年10月5日
青森県病害虫防除所は、トルコギキョウ斑点病を津軽地域で確認。これを受けて、10月5日に病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
罹病株(下位葉に発生)(写真提供:青森県病害虫防除所)
9月に津軽地域のトルコギキョウ(ハウス栽培)で、下位葉に黒灰色~黒色のすす状病斑が認められた。青森県病害虫防除所で罹病葉を検鏡したところ、分生胞子の形態的特徴からPseudocercospora nepheroides による「トルコギキョウ斑点病」であることを確認した。
同病は2008年に福岡県で確認されて以降、これまでに24県で確認され、全国に拡大。東北地方では2018年に福島県と宮城県で、2020年に山形県で特殊報が発表されている。
分生子座と分生胞子(写真提供:青森県病害虫防除所)
発生初期は下位葉に5~10ミリ程度の退緑斑紋として現れる。この退緑斑紋上に小黒点(分生子座)が多数形成され、黒灰色~黒色のすす状病斑となる。病斑は下位葉を中心に葉の表と裏に現れ、まん延すると上位葉へ進展、やがて葉が枯死する。
分生子柄は角皮下に発達した子座上に束生する。分生胞子は11.2~56.5×3.4~5.6㎛の大きさで、1~7の隔壁を有し、分生胞子の離脱痕は肥厚せず、小葉牙上にやや突出した形となる。
初期症状(退緑斑紋)(写真提供:青森県病害虫防除所)
盛夏を除き、ほぼ年間を通じて発生し、特に春から秋の多湿条件下で多発。生態や生活環についての詳細は不明で、育苗中および本ぽで発生し、分生胞子が感染源になると考えられている。現在確認されている宿主植物は、トルコギキョウのみ。
黒灰色のすす状病斑(写真提供:青森県県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇多湿条件下で発生が助長されるため、施設内の通風・換気に努める。
〇被害葉は見つけ次第速やかに除去し、収穫後の残さはほ場外に持ち出して、適切に処分する。
〇病斑が上位葉まで進展すると商品としての品質が落ち、経済的損失が大きくなるため、早期発見に努め、発生初期から防除を徹底する。
〇薬剤防除に当たっては、「斑点病」に適用のある薬剤(表1)を使用する。耐性菌発生を防ぐため、同一系統薬剤(FRACコードが同じ剤)の連用を避ける。
重要な記事
最新の記事
-
農業と地域を守ってきた誇りを 「第46回農協人文化賞」表彰式・記念パーティー開く2025年7月7日
-
【第46回農協人文化賞】生消連携し食を担う 一般文化部門・グリーンコープ生協連専務 片岡宏明氏2025年7月7日
-
【第46回農協人文化賞】組合員目線を大切に 一般文化部門・神奈川県・横浜農協元専務 海沼正雄氏2025年7月7日
-
【第46回農協人文化賞】変化恐れず「人のため」 一般文化部門・兵庫県・たじま農協組合長 太田垣哲男氏2025年7月7日
-
【注意報】オクラにフタテンミドリヒメヨコバイ 石垣市で多発のおそれ 沖縄県2025年7月7日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】「参院選に向けての争点と生活保護費減額問題の関係」弱者の視点忘れずに2025年7月7日
-
参院選アンケート 「所得補償」で違い浮き彫り 関税交渉では与野党ほぼ一致2025年7月7日
-
2025参院選・各党の農政公約 所得補償「食農支払」で農地守る 立憲民主党2025年7月7日
-
2025参院選・各党の農政公約 ミサイルよりコメ、所得補償で農業元気に 社民党2025年7月7日
-
2025参院選・各党の農政公約 農は国の基、「別枠予算」で生産性向上 自由民主党2025年7月7日
-
2025参院選・各党の農政公約 有機推進、「食の知る権利」も 参政党2025年7月7日
-
2025参院選・各党の農政公約 直接支払いで農家の手取り増やす 国民民主党2025年7月7日
-
2025参院選・各党の農政公約 農家所得向上に注力、中山間地支援 公明党2025年7月7日
-
2025参院選・各党の農政公約 価格保障と所得補償で米増産 日本共産党2025年7月7日
-
2025参院選・各党の農政公約 伸ばす農政へ転換、農協法改正も 日本維新の会2025年7月7日
-
2025参院選・各党の農政公約 予算倍増で農家守る、動物福祉も れいわ新選組2025年7月7日
-
【人事異動】農水省(7月8日付)2025年7月7日
-
備蓄米 出荷済75% JA全農2025年7月7日
-
米価下落見通し 大幅増 米穀機構調査2025年7月7日
-
協同組合フェスティバルに仲間由紀恵さんが参加 助け合いの輪を広げたい JA共済連2025年7月7日