劣化した水路トンネルを長寿命化 炭素繊維シートで水路トンネル補強工法を開発 農研機構2022年10月6日
農研機構は、島根大学、日鉄ケミカル&マテリアル、オリエンタル白石と共同で、炭素繊維シートによる老朽化した水路トンネルを補強する工法を開発した。建設資材の搬入に手間がかかり、大規模な対策工事が難しい山間部に位置する小規模断面の水路トンネルの新たな長寿命化対策として有効な工法となる。
水路トンネルに見られる典型的なひび割れの事例。
場所は水路トンネルの左右側壁の肩部に見られ、縦断方向に連続していることもある。
山間部に建設された農業用水を運ぶ農業用水路トンネルでは、崩落の事故などによって送水が停止すると、下流地域が断水するため、農業生産に大きな被害が及ぶ。これを未然に防ぐには、劣化が軽微な段階で補強などの手当てを行うことが重要。しかし、水路トンネルの補強工事は、使用する資材を水路トンネルの内部に搬入するための仮設の道路や設備が必要となり、大がかりな工事になる場合が多い。迅速に工事を行うことは難しい状況だった。
工法のイメージ図
農研機構は、3者と共同で官民連携新技術研究開発事業を実施。あらかじめ工場で加工した、細い、すだれ状の炭素繊維シートを人力で水路トンネル内に搬入し、トンネル内側を覆っているコンクリートに接着することで、老朽化した水路トンネルを補強する工法を開発した。
炭素繊維シートの密度は鉄の約1/5と軽量で、人力で容易に持ち運びが可能。資材搬入のための仮設の道路や設備が不要で、これに要する費用を大幅に軽減できる。また、補強が必要となる範囲だけを部分的に補強することができるため、トンネルの応急修理としても有効。
この工法は、【農業水利施設の補修・補強工事に関するマニュアル「水路トンネル編」】に設計方法の事例が記載されている。
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