パン用小麦品種「はる風ふわり」普及拡大 製パン性に優れる国産小麦の安定供給へ 農研機構2022年11月9日
農研機構が育成したパン用小麦品種「はる風ふわり」が6月に品種登録された。この品種は西日本地域で栽培されている主要なパン用小麦品種「ミナミノカオリ」より穂発芽耐性が優れ、収穫物の品質低下のリスクが低く、製パン性が高品質の輸入小麦並みに優れている。佐賀県を中心に栽培面積が拡大している。
「はる風ふわり」の草姿
西日本地域で栽培されているパン用小麦品種「ミナミノカオリ」は、収穫時期が梅雨に重なることから降雨により生じる穂発芽による品質低下が問題となっていた。また、実需者からは製パン性が輸入小麦並みに優れる品種の育成が求められていた。
農研機構は「ミナミノカオリ」より穂発芽耐性が優れ、製パン性がカナダ産の輸入小麦銘柄1CW並みに優れる「はる風ふわり」を育成。同品種は2019年に品種登録出願され、2022年に品種登録された。佐賀県では2020年度に奨励品種に採用され、県内の栽培面積は2021年産で432ヘクタール。2022年産で約1000ヘクタールと拡大している。
生産量の増加に伴い、2021年から同品種がブレンドされた小麦粉の大手事業者による販売が始まり、今後は西日本地域での栽培に向くパン用小麦として普及拡大が期待される。
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