【特殊報】ネギリゾクトニア葉鞘腐敗病 県内で初めて確認 宮城県2022年12月19日
宮城県病害虫防除所は、ネギリゾクトニア葉鞘腐敗病の発生を県内で初めて確認。これを受けて、12月16日に病害虫発生予察特殊報第2号を発令した。
地際部から倒伏・枯死した外葉(写真提供:宮城県病害虫防除所)
2020年7月上旬、仙台地域のねぎ栽培ほ場で株の外側の葉鞘が地際部で腐敗し、倒伏する症状が確認された。この症状は、地際部のみに連続して見られた。同防除所で、この症状を呈した株から常法により組織分離を行ったところRhizoctonia属菌が多数確認。宮城県農業・園芸総合研究所で遺伝子診断(PCR法、ITS領域の遺伝子解析)を実施した結果、宮城県では未確認だったRhizoctonia solani AG4 HGIによるネギリゾクトニア葉鞘腐敗病と確認された。その後、発生状況の継続調査を行ったところ、当該ほ場での発生は続いているが、発生地域の拡大は認められていない。
外葉基部の腐敗(写真提供:宮城県病害虫防除所)
同病は2005年に北海道で初めて発生が確認され12月15日現在、青森県、岩手県で発生が確認されている。
病徴としては、土に接触した葉鞘及び葉身基部のみに軟化、腐敗が見られ、地際部から倒伏・枯死するが、株全体が枯死することはない。罹病葉は淡褐色を呈し、引っ張ると容易に抜ける。外側から2~3枚までの葉鞘での発病が多く、その場合は出荷調整時に除去できる。畝単位で発生することが多い。
Rsolaniの菌糸(写真提供:宮城県病害虫防除所)
糸状菌(Rhizoctonia solani)による土壌伝染性の病害であるため連作ほ場で発生しやすい。罹病残渣上や土壌中で越冬した菌糸や菌核が一次伝染源となる。一次伝染源から伸長した菌糸が土寄せによって葉鞘や葉身基部に接触、感染し発病に至る。生育適温は19~23℃とされ日平均気温が19℃以上で発生する。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇連作を避け、被害残渣は適切に処分し、長靴の底や作業機械の洗浄を丁寧に行なう。
〇宮城県で日平均気温が19℃に達するのはおおよそ6月下旬頃であり、ほ場をよく観察する。
〇土寄せを深めにすると発生が助長されることから、1回の培土量は少なめにし、土寄せの回数を増やす。
〇多発する場合は、土寄せ直前に薬剤を散布する(表1)。
重要な記事
最新の記事
-
どこまで理解しているのか小泉大臣【小松泰信・地方の眼力】2025年6月25日
-
フードバンク、子ども食堂への備蓄米無償交付を追加 農水省2025年6月25日
-
【人事異動】農水省(6月23日付、24日付、25日付)2025年6月25日
-
ブラジル向け精米 検疫条件が緩和 農水省2025年6月25日
-
【JA人事】JA福山市(広島県)占部浩道組合長を再任(6月24日)2025年6月25日
-
【JA人事】JAとうと(岐阜県)古川敏之組合長を再任(6月20日)2025年6月25日
-
【JA人事】JAいずみの(大阪府)谷口敏信組合長を再任(6月25日)2025年6月25日
-
【JA人事】JA松任(石川県)得田恵裕組合長を再任(6月21日)2025年6月25日
-
【JA人事】JAハリマ(兵庫県)柴原利春組合長を再任(6月21日)2025年6月25日
-
エンゲージメント向上へ若手職員がプロジェクト 「目安箱」設置も JAさいたま2025年6月25日
-
土壌診断研修会(基礎編)を開催 JA全農みえ2025年6月25日
-
みえの米ブランド化推進会議総会を開催 高温耐性「結びの神」拡大へ JA全農みえ2025年6月25日
-
「2025愛媛みかん大使」募集中 JA全農えひめ2025年6月25日
-
第53回通常総代会を開催 JA鶴岡2025年6月25日
-
青森県産 稀少な大玉さくらんぼ「ジュノハート」を数量限定販売 JAタウン2025年6月25日
-
【農と杜の独り言】第1回 国際園芸博覧会とは 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2025年6月25日
-
アズキの遺伝子の知見を利用 ダイズのさやの弾け難さを強化 農研機構2025年6月25日
-
「水稲移植栽培における除草剤体系処理によるナガエツルノゲイトウ防除技術」SOP公開 農研機構2025年6月25日
-
"カメムシ急増"に天然成分100%の「モスガード スプレー」 第三者機関の試験で一定の効果 たかくら新産業2025年6月25日
-
近赤外分光とAI活用の次世代土壌分析サービスを開始 片倉コープアグリ2025年6月25日