ドローン写真測量で果樹枝構造を可視化、自動計測が可能に ソフトウェア化しオンラインで公開 東京大学大学院など2023年2月7日
東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構の郭威准教授らの研究チームは、市販されているRGBカメラ付のドローンによる撮影・測量した果樹園の三次元情報を元に、比較的密度の粗い点群からでも樹木の枝構造を解析できる手法を提案したと発表した。同手法を用することで、今まで困難だった樹の枝構造の調査が低コストで行うことができ、国内外の果樹産業におけるスマート農業の推進にも大いに活用出来ることが期待される。
果樹の枝の分布は、光の利用効率を左右し、その構造の優劣により、最終的には果実の品質や収量にも影響を及ぼす。そのため、枝構造情報を定性的・定量的に取得・分析することは、科学的な果樹園管理を行う上で極めて重要。しかし、管理者の感覚に頼った従来の枝構造の把握は、普遍的ではなく、汎用化もしにくく、精度の保証も難しい。
昨今では、樹木構造の点群を、空中RGBカメラを搭載したドローン等を用いて低コストで取得することも可能になりつつある。しかし、汎用機で得られた点群データは、乱雑で粗い場合も多く、必要な骨格情報を正確に得ることは難しい。この状態では、現場への応用が難しく、取得データの精度向上は喫緊の課題となっている。
同手法を利用した果樹のスケルトン抽出例
今回提案した手法は、ドローンによる撮影・測量により生成した点群に基づいて、果樹の枝の骨格を抽出するアルゴリズムと、抽出効果を評価する新しい指標を提案するものであるとともに、比較実験を行ってその有効性を検証している。同手法は、さまざまな種類の樹木の成長状態を効率的に評価する事に有用。また、次世代型の果樹園管理を目指すための3Dデジタル化をアルゴリズムで支援するとともに低コスト化を目指すという。さらに、同手法を「EasySkeleton」と名付け、ソフトウェア化してサンプルデータをオンラインで公開し、誰でも自分の果樹園に適合した解析が行いやすいようにしている。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日