農業用ダムの事前放流で洪水を軽減 効果の簡易推定手法を開発 農研機構2023年3月17日
農研機構は、農業用ダムにおいて豪雨の前に放流した場合に、下流域の河川の洪水ピーク時の流量を低減する効果を簡易に推定する手法を開発した。農業用ダムの事前放流によって確保されたダムの空き容量の指標と流域の集水面積の指標を用いて、他のダムの影響を受けない範囲で、ダム下流域の河川の任意の地点での洪水ピーク時の流量を低減する効果を推定できるようになる。行政部局が策定する農業用ダムを活用した流域治水の計画立案において参考になると期待され、流域の洪水被害の軽減につながる。
農業用ダムの事前放流によるピークカット効果の推定手法の概略
近年、豪雨による水害が激甚化・頻発化する傾向にあり、国、自治体、利水者、企業、住民など流域内の関係者が協働して水害の軽減を目指す流域治水の取組みが拡大している。その一環として、農業用水の貯水を目的とする農業用ダムでも、豪雨の前に放流し、ダムの空き容量を確保して洪水の一部を貯留することで洪水を軽減するための運用が始まった。
一方で、事前放流によって洪水を軽減する効果の定量的な推定は、河川によって農業用ダムの貯水容量や流域の地形が異なり、雨の降り方の影響も受けることから複雑で多大な労力と時間がかかるため、この効果を簡易に推定する手法の開発が求められていた。
農研機構は、農業用ダムの事前放流によって河川の洪水ピーク時の流量を低減する効果(ピークカット効果)を、下流域の河川の任意の地点において定量的かつ簡易に推定できる手法を開発。この手法では、下流域の河川の任意の地点での事前放流のピークカット効果を、農業用ダムの事前放流によって確保したダムの空き容量の指標と、下流域の河川の地点における集水面積比の2つの指標によって推定することができる。
同手法は、行政部局による流域治水の計画立案において参考となることが期待され、流域の洪水被害の軽減につながる。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(149)-改正食料・農業・農村基本法(35)-2025年7月5日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(66)【防除学習帖】第305回2025年7月5日
-
農薬の正しい使い方(39)【今さら聞けない営農情報】第305回2025年7月5日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 石川県2025年7月4日
-
(442)エーカレッジ(作付面積)から見る変化【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月4日
-
【JA人事】JAながさき県央(長崎県)里山耕治組合長を再任(6月27日)2025年7月4日
-
人的資本を人事制度で具体化する 「令和7年度 人事制度改善セミナー」開催 JA全中2025年7月4日
-
「有機薄膜太陽電池」で発電した電力 ブドウの着色に活用 実証実験開始 山梨県2025年7月4日
-
株主優待制度を新設 農業総研2025年7月4日
-
夏の訪れ告げる初競りの早生桃 福島県産「はつひめ」販売 青木フルーツ2025年7月4日
-
ニッテン「スズラン印」ロゴマークをリニューアル 日本甜菜製糖2025年7月4日
-
「国際協同組合年」認知度調査「生協に参加したい」が7割 パルシステム2025年7月4日
-
洋菓子のコロンバン主催「全国いちご選手権」あまりんが4連覇達成2025年7月4日
-
野菜わなげや野菜つり 遊んで学ぶ「おいしいこども縁日」道の駅とよはしで開催2025年7月4日
-
北海道初進出「北海道伊達生産センター」完成 村上農園2025年7月4日
-
震災乗り越え健康な親鶏を飼育 宮城のたまご生産を利用者が監査 パルシステム東京2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「農政技術(森林)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「獣医師(家畜保健衛生分野)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
信州の味が集結 JA全農長野×ファミマ共同開発商品 長野県知事に紹介2025年7月4日
-
障害者のやりがい・働きがい・生きがい「ガチャタマ」で応援 パルシステム埼玉2025年7月4日