【特殊報】サツマイモ乾腐病 県内で初めて確認 佐賀県2023年10月17日
佐賀県農業技術防除センターは、サツマイモ乾腐病の発生を県内で初めて確認。これを受けて、10月17日に令和5年度病害虫発生予察特殊報第3号を発令した。
図1:下位葉が枯れた生育不良株(以下、写真提供:佐賀県農業技術防除センター)
佐賀県農業技術防除センターによると5年8月、県内のサツマイモ圃場で、下位葉が枯れ、生育が不良な株を確認(図1)。地際部の茎には、柄子殻と思われる小黒粒が形成されていた(図2)。小黒粒付近の植物組織を顕微鏡下で観察したところ、多量の胞子の漏出が確認された(図3)。そこで、発症部位から菌を分離し、農林水産省門司植物防疫所に同定を依頼したところ、佐賀県では未確認のサツマイモ乾腐病と判明した。
図2:茎に形成された小黒粒柄子殻、図3:発症部位から漏出した胞子
国内で栽培圃場での発生は、鹿児島県、宮崎県、熊本県で報告されている。
サツマイモ乾腐病の病原菌は、基腐病と近縁の糸状菌で、両病害の病徴による識別は難しい。宿主植物はヒルガオ科(主にサツマイモ)のみで、罹病した苗や塊根が伝染源となる。同病が発生した圃場では、病原菌が罹病残渣中に残り、次年の伝染源となる。
育苗圃や本圃では、株の生育不良や萎凋、枯死が起こる。そのような株では茎の地際部が黒~褐色に変色し、微小な黒粒(柄子殻)が多数形成される。塊根は、主に貯蔵中に腐敗するが、収穫期頃でも発生することがある。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇サツマイモ乾腐病の未発生圃場で生産された健全種苗を使用する。特に、採苗する場合には、健全な種いもを使用し、使用するハサミはこまめに消毒する。
〇発病した株は速やかに抜き取り、圃場から持ち出し適切に処分する。
〇同病が発生した圃場で使用した器具や資材、長靴等は、洗浄や消毒を十分に行う。
〇残渣は次作での伝染源となるため、収穫後は圃場から速やかに取り除く。
〇圃場の排水対策を行う。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(90)みどりの食料システム戦略対応 現場はどう動くべきか(1)2024年4月27日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(8)【防除学習帖】 第247回2024年4月27日
-
土壌診断の基礎知識(17)【今さら聞けない営農情報】第247回2024年4月27日
-
【欧米の農政転換と農民運動】環境重視と自由化の矛盾 イギリス農民の怒りの正体と運動の行方(2)駒澤大学名誉教授 溝手芳計氏2024年4月26日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2024年4月26日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内で多発のおそれ 熊本県2024年4月26日
-
【注意報】核果類にナシヒメシンクイ 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2024年4月26日
-
【注意報】ムギ類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 愛知県2024年4月26日
-
「沖縄県産パインアップルフェア」銀座の直営飲食店舗で開催 JA全農2024年4月26日
-
「みのりカフェ博多店」24日から「開業3周年記念フェア」開催 JA全農2024年4月26日
-
「菊池水田ごぼう」が収穫最盛期を迎える JA菊池2024年4月26日
-
「JAタウンのうた」MV公開 公式応援大使・根本凪が歌とダンスで産地を応援2024年4月26日
-
中堅職員が新事業を提案 全中教育部「ミライ共創プロジェクト」成果発表2024年4月26日
-
子実用トウモロコシ 生産引き上げ困難 坂本農相2024年4月26日
-
(381)20代6割、30代5割、40/50代4割【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年4月26日
-
【JA人事】JA北つくば(茨城県)新組合長に川津修氏(4月20日)2024年4月26日
-
野菜ソムリエが選んだ最高金賞「焼き芋」使用 イタリアンジェラートを期間限定で販売2024年4月26日
-
DJI新型農業用ドローンとアップグレード版「SmartFarmアプリ」世界で発売2024年4月26日
-
「もしもFES名古屋2024」名古屋・栄で開催 こくみん共済coop2024年4月26日
-
農水省『全国版畜産クラウド』とデータ連携 ファームノート2024年4月26日