【特殊報】トマトキバガ 県内で初めて確認 茨城県2023年10月27日
茨城県病害虫防除所は、トマトキバガの発生を県内で初めて確認。これを受けて、10月24日に令和5年度病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
フェロモントラップに誘殺された成虫(写真提供:茨城県病害虫防除所)
茨城県病害虫防除所によると10月17日、県内4地点に設置したトマトキバガの侵入調査用のフェロモントラップにおいて、トマトキバガと疑われる成虫が誘殺された(写真)。横浜植物防疫所に同定を依頼したところ、3地点において誘殺された個体が、茨城県で未発生のトマトキバガであることが確認された。
現在のところ、県内では同種による農作物被害は確認されていない。
トマトキバガは、国内では2021年10月に熊本県、同12月に宮崎県のトマト栽培圃場で確認された。それ以降、フェロモントラップ調査等によって、これまでに茨城県を含めて合計35道府県で特殊報が発表されている。
トマトキバガの成虫は、翅を閉じた静止時で体長5~7ミリ(前翅長約5mm、開張約10mm)。前翅は灰褐色の地色に黒色斑が散在し、後翅は一様に淡黒褐色で、翅頂下でえぐれる。終齢幼虫は、体長約8ミリ、体色は淡緑色~淡赤色で、頭部は淡褐色。前胸の背面後方に細い黒色横帯がある。
1年に複数の世代が発生し、繁殖力が高い。発生世代数は環境条件によって異なり、年に10~12世代発生する地域もある。雌は一生のうち平均で約260個の卵を寄主植物の葉の裏面などに産み付ける。卵から成虫になるまでの期間は24~38日程度で、気温の低い時期はさらに延びる。
成虫は夜行性で、日中は葉の間に隠れていることが多い。幼虫は1齢から4齢までの生育ステージがあり、土中や葉の表面で蛹化する。
被害としては、トマト、ナス、ピーマン、バレイショ等のナス科植物が主な寄主植物だが、マメ科のインゲンマメも寄主植物として確認。トマトでは、葉の内部に幼虫が潜り込んで食害し、葉肉内に孔道が形成され、食害部分は表面のみを残して薄皮状になり、白~褐変した外観となる。果実では、幼虫が穿孔侵入して内部組織を食害するため、果実表面に数ミリ程度の穿孔痕が生じるとともに食害部分の腐敗が生じる。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇圃場内をよく見回り、見つけ次第捕殺する。
〇トマトキバガの発生が疑われた場合は、速やかに最寄りの農業改良普及センター、病害虫防除所に連絡する。
〇発生を拡大させないため、被害葉や被害果は、圃場から持ち出し、野外に放置せずに、ビニル袋に入れて一定期間密閉し成幼虫を死滅させるなど、適切に処分する。
〇現在、トマトキバガに対する登録のある農薬の適用作物はトマト、ミニトマトのみ。薬剤防除にあたっては、最新の農薬登録情報を確認する。
〇薬剤抵抗性の発達を防ぐため、IRACコードの異なる薬剤をローテーション散布する。
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