【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 神奈川県2023年12月1日
神奈川県農業技術センターは、イチゴにハダニ類が県内全域で多発のおそれがあるとして、11月30日に令和5年度病害虫発生予察注意報第5号を発令した。

神奈川県農業技術センターによると、巡回調査におけるハダニ類の寄生株率は、10月に10.7%(平年3.9%)、11月に16.4%(平年5.2%)と平年より高い状況が続いており(図1)、過去10年間で最も高くなっている。また、ハダニ類発生ほ場率は、10月に35.7%(平年25.1%)、11月に50.0%(平年33.7%)と平年より高い状況が続いている(図2)。
以上のことから、寄生株率、発生ほ場率ともに10月から11月にかけて上昇しており、例年冬期から春期にかけて増加する傾向が見られるため、今後の増加が予想される。
気象庁が11月21日に発表した向こう1か月の気象予報では、気温は平年並か高いことから、ハダニ類の増殖に好適な条件が続くと考えられる。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇ほ場をこまめに観察し早期発見に努め、ハダニ類が増殖する前に早期に防除する。
〇ハダニ類が寄生した葉は、ほ場外に持ち出すとともに、ほ場周辺に放置せず適切に処分する。
〇ハダニ類は下葉の裏に多く寄生するため、下葉を整理し、薬剤が葉裏にも十分にかかるよう丁寧に散布する。
〇薬剤散布の際は、系統の異なる薬剤でローテーション散布を行い、薬剤抵抗性が発達しにくい気門封鎖剤も活用する。
〇すでにハダニ類が多発しているほ場では、1回の薬剤散布のみでは薬剤の付着ムラなどで効果が不十分となる場合があるため、効果を確認しながら数回散布する。
〇天敵カブリダニ剤を放飼する場合は、天敵に影響のない薬剤を散布し、ハダニ類の密度を低下させた後、放飼する。
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