サステナビリティと自動化追求 次世代植物工場「メガファーム」稼働 Oishii Farm2024年6月7日
米国を拠点にサステナブルな農業の実現を目指すOishii Farmは、サステナビリティと自動化を追求した、世界最大級の植物工場「メガファーム」をニュージャージー州で稼働を開始した。
次世代植物工場「メガファーム」
メガファームは、サッカーコート3面分以上に相当する2.2万㎡の敷地で、中にはいちごの農場ユニットが複数並ぶ。各農場ユニット内では、温度・湿度・二酸化炭素・光・風速などのあらゆるパラメーターを自動制御することで、いちごの成長に最適な環境をつくっている。また、AIを用いた独自の技術により、室内でのハチによる受粉を可能にし、年間を通して高品質な日本のいちごを生産する。
前農場の稼働から同メガファーム建設までの2年間に、様々な技術革新を起こし、サステナブルな方法で、圧倒的な生産性を誇る植物工場を実現した。
農業は、異常気象・農薬の過剰投与と残留農薬問題・農業用地や水の不足など、多くの課題を抱え、世界的な人口増加もあり、このままでは数十年のうちに果物や野菜の入手が困難になる食料危機が予測されている。同社はこうした課題解決の一助となるよう、サステナブルな農業の実現に向けた技術開発を重ね、メガファームを稼働させた。
メガファーム内の農場は、完全閉鎖型の植物工場で、外の気候に左右されることなく、一年中安定していちごの生産が可能。害虫や菌の侵入を防ぐことで、完全無農薬で栽培できる。さらに農業用地も使わず、旧プラスチック工場を再利用して建設。また、数億円を投じて開発した新たな水の循環システムを導入することで、使用した水の大半を再利用することに成功した。
また、東京ドーム約5個分に相当する20万㎡の太陽光発電所に隣接しており、そこで作られたグリーンエネルギーを利用。いちご一株あたりの消費電力を14%削減する最先端のLEDも活用している。

ロボットやAIの活用による自動化・生産性向上
農場ユニット内では、ロボットが24時間いちごの成長を見守りながら、完熟したタイミングで自動収穫し、オペレーションの効率化を図っている。また、画像認識技術とAI(機械学習)によって、年間600億ものデータを取得しながら、各農場ユニット内の環境を日々把握・調整。受粉成功率や収穫量の予測精度の向上に繋げている。
さらに、250のいちごの栽培棚を可動式にすることで、農業管理者やロボットが効率的にオペレーションできる環境を構築。各プロセスにおける生産性向上により、前農場と比較して、20倍もの収獲量を目指す。
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