【特殊報】タマネギえそ条斑病 県内で初めてタマネギほ場で確認 和歌山県2024年7月22日
和歌山県農作物病害虫防除所は、タマネギえそ条斑病(Iris yellow spot virus:IYSV)がタマネギにほ場において県内で初めて確認されたため、7月22日に令和6年度病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
写真1:タマネギ栽培ほ場における発病株(紡錘状のえそ状斑)(提供:和歌山県農作物病害虫防除所)
和歌山県農作物病害虫防除所によると、4月に紀の川市のタマネギ栽培ほ場において、葉に紡錘型のえそ条斑が確認された(写真1)。病害虫防除所においてRIPA法(イムノクロマト)およびRT-PCR法による検定を行った結果、IYSVによるタマネギえそ条斑病であることが確認された。また、5月に有田市のタマネギ栽培ほ場でも紀の川市のタマネギと同様の症状が認められ、RIPA法による検定を行ったところ、同病であることが確認された。
同ウイルス(IYSV)による病害は、1996年に千葉県のアルストロメリアで初確認されて以降、全国30以上の都府県のタマネギ、ネギ、トルコギキョウ、テッポウユリなど様々な作物で発生が確認されている。過去、近隣では大阪府のタマネギ、京都府のネギ、トルコギキョウ、兵庫県のネギ、タマネギ、トルコギキョウ、テッポウユリ、滋賀県のネギ、トルコギキョウでの発生が報告されている。和歌山県ではトルコギキョウへの感染(トルコギキョウえそ輪紋病)が確認され、2009年3月に特殊報を発表している。
被害株の病徴は、はじめ葉身に紡錘型のえそ条斑を呈し、病勢が進行すると病斑が癒合拡大し、葉が萎凋・枯死することがある。枯死する葉身が見られる状況になると、生育および鱗茎の肥大が抑制される場合がある。
同ウイルスはトスポウイルス属に属し、17科40種以上の植物でIYSVの感染が確認されており、ネギ、タマネギ、ニラ等のヒガンバナ科野菜や、トルコギキョウ、アルストロメリア等の花き類で被害が大きい。
写真2:タマネギにおけるネギアザミウマの寄生状況(提供:和歌山県農作物病害虫防除所)
同ウイルスはネギアザミウマ(写真2、3)が媒介し、他のアザミウマによる伝搬は確認されていない。幼虫が感染植物を吸汁することによって本ウイルスを獲得し、保毒幼虫が成虫になるとウイルスを媒介する。媒介虫は一度ウイルスを保毒すると終生伝搬能力を保持する(永続伝搬)が、経卵伝染はしない。また、同ウイルスは種子伝染や土壌伝染はせず、管理作業による汁液伝染の可能性も低いとされている。
写真3:ネギアザミウマ成虫(提供:和歌山県農作物病害虫防除所)
ネギアザミウマは世界中に分布し、日本においても普遍的に分布する。成虫の体長は1.1~1.6ミリ、体色は淡黄色~黒褐色で、一般に低温期は褐色または黒褐色の個体が多い。幼虫は黄色または淡褐色。発育は非常に早く、卵から成虫までの期間は20℃では20日、25℃では16~17日。秋植えのタマネギでの冬期の発生は少ないが、4月~5月に多くなる。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇媒介虫であるネギアザミウマの早期発見・早期防除に努め、本虫の発生初期に薬剤散布を実施する(表)。なお、薬剤抵抗性の発達を遅らせるために、同一系統の薬剤は連用しない。
〇苗を介したほ場への持込みを防ぐため、育苗床でのネギアザミウマの防除を徹底する。
〇発病株は病原ウイルスの伝染源となるため、見つけ次第抜き取り、袋に密閉してほ場外へ持ち出し、適切に処分する。
〇ほ場内外の雑草や収穫後の残さは、ネギアザミウマの生息・増殖場所になるとともに、病原ウイルスの伝染源になる場合がある。ほ場内外の除草を徹底し、収穫後の残さは放置せずに土中深くすき込む等、速やかに処分する。
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