ビール大麦試験圃場へのバイオ炭施用 効果検証へ共同研究開始 キリン2024年9月20日
キリンホールディングスの飲料未来研究所は、栃木県農業総合研究センター、早稲田大学と共同で、栃木県農業総合研究センターの大麦試験圃場において、バイオ炭施用によるビール大麦の生育状況、土壌改良の効果、土壌の微生物への影響などを測定する研究を10月から開始する。
キリングループは、ビールの原材料としてビール大麦を使用している。同研究により、環境再生型農業の可能性を探索しながら、ビール大麦試験圃場の土壌における生物多様性評価の一層の高度化、気候変動の緩和とともに、脱炭素社会の実現を目指す。
同研究では、栃木県農業総合研究センターがビール大麦の生育・収量への影響および土壌の物理性・化学性の改善効果を解析。早稲田大学が土壌における微生物解析を行い、バイオ炭による土壌の微生物への影響と土壌改良の効果を測定する。また、同社は、ビール事業を通じた強みの発酵・バイオテクノロジーの先進技術を生かし、試験計画の立案、解析データからのメカニズムの考察、および同研究全体の取りまとめを行う。
共同の取り組みでは、農地にバイオ炭を施用することによる効果を検証することに加え、J-クレジットへの申請を前提にした炭素貯留量の算定も予定。基礎研究の位置づけで取り組みを進めながら、畑へのバイオ炭施用の効果を測定することで技術的知見を蓄積し、将来的にはビール大麦栽培農家におけるバイオ炭施用の普及や、GHG排出量削減への貢献も期待される。
キリンは、これまでも気候変動における「脱炭素社会」を統合的に捉えたアプローチとして、バイオ炭を活用した環境再生型農業の知見蓄積を行ってきた。「シャトー・メルシャン 椀子ヴィンヤード」では2014年から行ってきた生態系調査に加えて、ヴィンヤードの剪定残渣などを活用したバイオ炭による炭素貯留効果の評価などを農研機構との共同研究として3月に始めている。
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